石炭離れ、日本は最も遅い〜G7、首位は米国

 先進7カ国(G7)のうち、環境汚染度の高い石炭の使用から最も遠ざかっている国は米国という調査結果を、英国の環境政策研究団体E3Gが発表した。

 ロイター通信によると、E3Gは石炭の段階的廃止に向けたG7の現状をまとめ、このほどドイツ・ボンで開かれた今年4回目の国連気候変動会議で報告した。調査は石炭火力発電所に焦点を当て、各国で新設される可能性、既存の発電所の閉鎖状況、海外で火力発電所の推進にどれほど関わっているかといった観点から7カ国を順位付けした。

 この結果、石炭離れの首位は米国、 2位以下はフランス、英国、カナダ、イタリア、ドイツと続き、日本は最下位だった。米国の石炭火力発電量は最高288ギガワット(GW)で、残り6カ国の合計を倍以上上回るものの、石炭による環境汚染からは最も急速に遠ざかっている。シェール・ガス使用量の増加を受けて石炭の電源構成比は2009年以降40%を下回り、新規の石炭火力発電所建設計画の多くが中止された。

 G7には、排出する二酸化炭素(CO2)を回収・保存しない限り石炭火力発電所の新設を認めない政策を打ち出した国もいくつかある。しかしE3G報告書は、日本は「11年に起きた東日本大震災に伴う福島第1原子力発電所の事故の後、電源が石炭に移っており、G7では唯一新しい石炭火力発電所の建設を計画し、他国から孤立している」と指摘した。

 12月にパリで開かれる国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)に向け、6月にボンで行われた準備会議では、今世紀中に世界の経済活動から炭素排出をなくすことで各国が合意している。

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