IBMは3日、新興企業のグラヴィタント(Gravitant)を買収した。グラヴィタントは、異種クラウド・プラットフォームで稼働するソフトウェアやサービスの購入と管理を簡便化する仲介ソフトウェアの開発企業。
企業市場におけるハイブリッド・クラウド需要の高まりが今後もしばらく持続するという業界動向を視野に入れた動きと言える。買収額は非公表。
PCワールド誌によると、テキサス州で2004年に起業されたグラヴィタントは、ハイブリッド・クラウドにまたがって複数の供給業者から提供されるソフトウェアや電算サービスの利用計画、購入、管理を簡単にするクラウド・ソフトウェアを開発しており、近年、顧客企業を増やしている。
グラヴィタントの主力製品であるクラウドメイトリックス(cloudMatrix)という仲介ソフトウェアは、ITサービスの消費を利用企業の仕様に調整でき、セルフサービス・ストアーを介して注文商品(ソフトウェアや電算サービス)の配信を一括化し、流動的な市場(いちば)と継続的配信の原動力となっている。
各社のIT担当者らは、プラットフォームの異なるクラウド商品を複数のIT会社から購入することで発生する面倒な調整や設定、変更を強いられている。同社の仲介ソフトウェアを導入することで、基幹設備や関連業務のコストを50%削減できる、とグラヴィタントはその利点を説明する。
IBMでは最近、法人向けハイブリッド・クラウド・サービス群の拡充に注力しており、グラヴィタントを吸収することでグラヴィタントの技術を自社製品に統合し、使いやすさやコスト効果を向上させ、顧客基盤を拡大させたい考えだ。
IBMのマーティン・ジェター国際技術サービシズ部門上席副社長は、グラヴィタントの各種機能を国際技術サービシズ事業部に統合すると同時に、IBMクラウドがそれをサース(SaaS=Software as a Service)商品に統合する、と説明している。
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