NXPのフリースケール買収、車載半導体の世界最大手誕生

 オランダの半導体メーカー、NXPセミコンダクターズによる同業の米フリースケールの買収手続きが完了したことで、世界最大手の車載半導体メーカーが誕生した。

 ロイター通信によると、NXPは約120億ドルを投じた買収を通じ、売上高に占める自動車関連事業の売上高を40%に倍増させた。

 かつてのドル箱であるコンピュータや端末市場の需要低迷で、半導体メーカーは自動車エレクトロニクスなど、以前なら魅力に欠けていた分野に活路を見出すため買収攻勢に出ている。

 NXP自動車部門のカート・シーバース最高経営責任者(CEO)はフリースケールの獲得で、音響情報娯楽やセキュリティ、車両ネットワークといった形成済みの地盤を強固にすると同時に、パワートレインやセーフティ/ボディ・エレクトロニクスなどの分野に進出できると述べた。このほか、ハッカーの脅威から車両システムを守るセキュリティの構築も目指すという。

 NXPは投資家に対し、今後数年間で車載半導体市場の伸びを50%上回る成長を目指すと説明した。ここ数年、市場の2〜3倍のペースで成長してきたNXPにとっては控えめな目標だ。 NXPがフリースケールの技術で特に期待を掛けているのは、既存のエルモス(Elmos)製超音波チップに対抗できる車載レーダー用統合チップだ。次がマルチメディア・プロセッサで、動画ディスプレイ・ダッシュボードなど他の情報娯楽分野に進出する足掛かりになる。

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