最新の税関システムに障害 〜 メキシコ、カナダ国境で遅れ

 通関を円滑にする目的で導入が始まった新しい電子ファイリング・システム「自動通商環境システム」(ACE)に問題が発生し、南北の国境で貨物の通関が何時間も遅れる事態が生じた。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ACEは税関申告書のファイリングを自動化し、荷主から集めた情報を約50の政府機関に電子送信するシステムで、税関・国境警備局(CBP)が3月31日から段階導入を始めた。ところが始動直後から問題が多発し、輸送業者などにシステム障害が通知されたほか、国境で何時間も貨物が足止めされるなどの影響が出た。

 CBPにシステムの顧問サービスを提供する英国企業キーウィル(Kewill)の物流ソフト専門家は「システムは完全にダウンした訳ではないが、多くの問題が発生した」と話した。

 4日の午後には問題も解決し、税関は審査が保留されていた申告はすべて処理中で、未済分がなくなった時点で業者に通知すると発表した。全米通関業者・フォワーダー協会(NCBFAA)のジェフリー・パウエル代表によると、影響を受けたのはメキシコとカナダ国境を通過する貨物が中心で「発注を受けると1時間以内にトラックに荷物が載まれ、税関にデータが送られるが、返答が20〜30分遅れればそのトラックは国境を通過することができない」という。遅れの影響を受けたのは、入国貨物の1%以下と見られている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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