見通しへのリスク「わずかに下振れ方向」 NY連銀総裁

 ニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁は8日、コネチカット州ブリッジポートで講演し、世界経済の減速や原油相場の不透明感などから「物価と成長との見通しに対するリスクはわずかに下振れ方向に傾いている」と述べ、見通しの不透明感が通常よりもやや大きいとの見方を示した。

 ただ、基本的には、今年、潜在成長率をやや上回る2%程度の経済成長を予想しているとし、最近の物価やインフレ期待の上昇の動きを受け、中期的にインフレが2%の政策目標を達成することへの自信が増していると説明。「慎重で緩やかな金融政策の正常化が適切だと判断している」とした。

 総裁は、エネルギー価格や一次産品価格の値下がりは、自身の現在の予想よりも物価下落圧力が根強いことを示している可能性もあると分析。金融市場の逼迫(ひっぱく)が成長を抑制する可能性があるほか、海外経済の先行きや米経済見通しへの影響には「著しい不透明感がある」とし、注意深く世界経済や金融市場の動向を監視する考えを示した。(共同)

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