蓄電装置とそれを管理するためのソフトウェア市場が順調に成長している。
エネルギー・マネージャー・トゥデイ誌によると、調査会社ナヴィガント・リサーチは、商工業向け蓄電市場に関する報告書を3月末に発行し、世界売上高が2016年の6840万ドルから2025年には1080億ドルに成長するという予想を示した。容量では499.4メガワットから9.1ギガワットへの成長に相当する。
同市場は「ますます多様化し、競争が激化している」と同報告書は指摘する。多くの企業が「異なる角度から市場攻略を図り、互いの長所を発揮できるような提携関係を形成している」「既存の建物エネルギー管理技術の提供会社も、同市場の新興企業ともな競い合って、魅力的な製品を提供している」とナヴィガントは報告した。
蓄電装置のハードウェアとソフトウェアを組み合わせたソリューションを開発するステム(Stem)のゲイブ・シュワルツ販促広報責任者は、蓄電の応用方法がいくつもあり、それが市場成長を後押ししていると指摘する。たとえば、予備電源のほか、太陽光発電の使用を拡大する手段、あるいは需要電力料金の抑制手段して活用されるようになった。
同氏はソフトウェアの重要性を訴えて、「一つの蓄電装置でそれら複数の用途に応えるには、スマートなソフトウェアが必要になる」「ソフトウェアがなければ、蓄電システムには価値がない」と話す。
ソフトウェアがもたらす最大の価値は柔軟性だ。「ニーズや価格、送電網の制約に対応する能力をもたらす」とシュワルツ氏は指摘する。特にハワイやカリフォルニア、および北東部の州では、行政の規制が蓄電の価値を高めているという。
ステムは、サムスンやパナソニック、テスラの製造する蓄電池に自社のソフトウェアを搭載している。ステムは最近、総額1500万ドルをミスリル・キャピタル・マネジメント(Mithril Capital Management)やRWEサプライ&トレーディング(RWE Supply & Trading )、三井物産(ドイツおよび日本)から調達した。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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