自動車のフロントガラスは紫外線(UV)の大部分を遮断するものの、左右の窓ガラスは車によって遮断効果にばらつきがあるという最新調査の報告書が、米医師会(JAMA)発行の眼科専門誌オフサルモロジー(Ophthalmology)に掲載された。
ロイター通信によると、調査を行った眼科の研究・治療施設ボクサー・ワクラー・ビジョン・インスティチュートのブライアン・ボクサー・ワクラー医師は「一部の車には50%のUV遮断効果しかない。黒いフィルムを張った車でさえもUVからの保護が保証されるわけではない」と話す。
ワクラー氏よると、米国のドライバーは体の左側が日光にさらされるため、白内障や皮膚がんが左側で増えているのはUVのせいだと言われている。UVは日光の一部でしかないが、地球上に届くUVのA波とB波は人間の肌に悪影響を及ぼす。皮膚がん協会(SCF)によると、特にA波はあらゆる場所で降り注ぎ、皮膚の深い部分まで到達するという。
ワクラー氏は2014年5月の快晴の日、ロサンゼルス市内で自動車メーカー15社の1990〜14年型車計29台に紫外線強度計を装着して試験を実施。その結果、フロントガラスはA波を約96%遮断した一方、ドア窓は44%から96%までばらつきがあり、90%を超えたのは4台だけだった。
誌上でワクラー氏の報告書を論評したルイジアナ州立大研究所のジェイン・ワイス博士によると、フロントガラスは飛散防止の合わせガラスであるのに対し、ドア窓は強化ガラスが使われることが多い。「目を守る上で最善の方法は、A波とB波の両方を遮断し、横からの光も遮るラップアラウンドのサングラスを着けることだ」とワイス氏は話した。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月25日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
EV時代もガソリンスタンドは重要拠点に
-
2024年7月22日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
ビザ、生成人工知能による不正防止技術を新たに導入 〜 総額100億ドルの投資で年間400億ドルの防止効果
-
ジョー・バイデン大統領、出馬を断念 〜 身内や主要献金業界からの説得についに応じる
-
2024年7月18日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 米国ビジネス
マレーシア、アジアのデータ・センター拠点として台頭 〜 クラウドと人工知能による需要増で米国からの投資を呼び込む
-
2024年7月17日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
AT&Tのデータ侵害、スノーフレイクの巻き添えに 〜 2.4億人の携帯電話顧客と仮想通信網顧客会社が被害に
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で