中国の検索エンジン最大手バイドゥ(百度)は、2017年7月に特定の条件下で機能する自動運転車技術を公開し、20年までに高速道路や一般道路で使える完全自動運転機能を発表する方針を明らかにした。
ロイター通信によると、バイドゥはこの計画をかつての米国の月飛行計画にちなんで「アポロ」と名付け、技術開発は車両やセンサーなどの部品を提供するパートナー企業と協力して進める。
同社は17年1月、人工知能(AI)分野の強化を目的に元マイクロソフト幹部のチー・ルー(陸奇)氏を最高業務責任者(COO)に起用。AIとAR(拡張現実)分野を統括していたアンドリュー・ング最高科学責任者はその2カ月後に退任を表明した。また、16年9月には研究・開発が中期または後期まで進んでいる新興企業を標的に総額30億ドルを投資すると発表し、10月にはさらにAI、AR、ディープラーニング分野の強化で2億ドルの投資を発表している。
ルーCOOは声明で「AIは社会の発展を推進する大きな可能性を持っており、AIの最大のチャンスの一つは知的車両だ」と述べた。バイドゥは16年11月、独BMWとの自動運転車開発提携を終了した。プロジェクトの進め方に関する意見が違ったためだという。
テクノロジー業界や自動車業界のリーダーは、車の将来は完全自律走行ができる車にあると考えており、実現すれば輸送業界は一変する見通しだ。ほぼすべての自動車メーカーのほか、アルファベット傘下グーグルや自動車部品大手デルファイなどはこの技術の開発に力を入れている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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