カリフォルニア州で、大規模なハチの盗難が発生している。
公共ラジオNPRによると、同州ではアーモンドの受粉期になると十億匹単位のハチが必要になり、アーモンド農園にハチを貸し出す養蜂家にとっては書き入れ時となる。州内に生息する分では足りないため、コロラド、アリゾナ、モンタナといった近隣州からもハチがトラックで運ばれる。
カリフォルニア州フレズノで7100万匹のハチを育てる養蜂家のマックス・ニコライチュク氏は、これまでに何度も巣箱ごと盗まれており、2017年は4箱盗まれた。明らかにハチをよく知る者の犯行と見られ、全体を見て質の良いハチの箱だけを選んで行ったという。
被害は州内各地で発生しているが、フレズノ郡では17年初めに1カ所の農場から約100万ドル相当の盗難ハチや巣箱が見つかった。多くの違う場所から盗んだハチの集積場になっていたようで、巣箱を見る限りすべて郡外で盗まれた物だった。
毎年数千の巣箱が消失し、被害者であるハチの所有者は全米に広がっている。フレズノ郡保安官事務所のアーリー・テレンス氏によると、年初の事件は桁違いで「過去最大のハチ盗難事件」だったという。また、ハチ泥棒はほとんどが養蜂業界関係者で、年初の例も犯人は州内サクラメントの養蜂家だった。盗んだハチをアーモンドの受粉に使った後でフレズノ郡の一画に隠していたといい、犯人は10年間の刑務所行きとなる可能性がある。
カリフォルニア養蜂家協会のスティーブ・ゴドリン氏によると、ハチの盗難問題は年々悪化している。今回の事件について同氏は「他人のハチには手を出さないのが礼儀だったが、この大泥棒は極端に道を外れた」と非難している。
養蜂家は、ハチの貸し出しだけでなくハチミツ販売でも収入を得ているため、ハチを盗まれると両方の収入源を失う。ゴドリン氏は「私たちはいたずら者からクマまであらゆる敵に襲われてきたが、破壊行為と盗みが最悪で最も打撃が大きい」という。養蜂家協会は今回のハチ泥棒の訴追に役立つ証拠の提供者に1万ドルの報酬を支払う予定だという。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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