「モデルS」の電池に欠陥?〜テスラとNYタイムズが小競り合い

 テスラ・モーターズの電気自動車(EV)「モデルS」を試乗したニューヨーク・タイムズの記者が、同車の電池の欠陥を記事で指摘したことを発端に、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)と同紙との間で小競り合いが起きている。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、タイムズのジョン・ブローダー記者はこのほど、ワシントンDCから州間道95号線を北上する「東海岸試乗記」を執筆した。その中で、充電所のあるデラウェア州ニューアークまでは難なく着いたが、2日目のコネチカット州ミルフォードには「どうにか」到着し、翌日出発すると途中で電池が切れ、トラックでミルフォードまで運んでもらい再充電した…と伝えた。

 ブローダー記者は電池切れについて、寒い気候が原因のようだと指摘し、EVの場合「特に北東部では気温が下がると現実が理論に勝ってしまうことがある」との見方を示した。

 マスクCEOはこれに対し、ツイッターで「寒冷下のテスラの航続距離に関するタイムズ記事は偽り」と反論した。その後のCNBCとのインタビューでは、ブローダー記者の乗った車のデータをダウンロードして分析したところ、記者が最大限に充電せず、回り道を多用し、アクセルを頻繁に戻したことで航続距離に悪影響を及ぼした可能性が高いことが分かったと述べた。

 マスク氏の見解に対して、タイムズは報道発表文で「記事の内容が『偽り』という見方が事実でないのは言うまでもない」と前置きしながら「記者はテスラ関係者から複数回にわたって聞かされた指示に従った。記事では全行程を伝えており、未報告の回り道は存在しない」と主張した。

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