シェールガス生産量、30%増へ〜北東部マーセラス

 北東部の大規模な天然ガス田マーセラス・シェールでは、パイプライン建設などによる調整で生産量の伸びが抑えられるものの、今年は30%の生産増が見込まれている。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、毎年2倍の増産ペースが続いた過去4年間に比べると、2013年の伸びは減速するが、マーセラスは国内で最も安く天然ガスが採取できるため、関連業者は利益計上に自信を見せている。

 生産の減速は、パイプラインの拡張工事が完了し、新市場が生まれ、下落した卸価格が回復するまで業者が増産を見合わせるため。同ガス田の採掘業者でつくるマーセラス・シェール・コアリションのキャスリン・クレイバー代表によると、現在は各社が雇用を抑え、待ちの状態にある。

 マーセラス・シェールは、ペンシルベニア、ウェストバージニア、ニューヨーク、オハイオ、メリーランド各州に広がるガス埋蔵量の豊富なけつ岩層(シェール)。採掘作業のほとんどはペンシルベニアとウェストバージニアで行われている。

 エネルギー関連の動向分析ベンテックによると、マーセラスの12年の天然ガス生産量は、ペンシルベニア部分が前年比約2倍の約2兆立方フィート、ウェストバージニア部分は約7000億立方フィートで、マーセラス全体では約2兆8000億立方フィートに上り、米天然ガス生産の約10%を占めた。13年は約30%の増加が見込まれるが、最終的にはさまざまな要因で変わる可能性がある。天然ガス10億立方フィートは、原油約18万バレルに相当する。

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