ネスレ、IIoTと第4次産業革命に注力 〜世界中の413工場で大々的にデジタル化

 食品および飲料品世界大手ネスレ(Nestle)の技術者トム・ドーニー氏は23日、シカゴで開幕した自動化会議&エキスポ(Automation Conference & Expo)において、世界86ヵ国の413工場で進める産業用モノのインターネット(IIoT=Industrial Internet of Things)と第4次産業革命(Industry4.0)関連の取り組みについて講演した。
 
 ドーニー氏は、ネスレの開発センター(Development Center)に勤務する先進技術応用担当者。オートメーション・ワールド誌によると、ネスレは、機械監視や立体印刷、協働ロボット、デジタル・ツインズ(digital twins、物理的事象をデジタル上に模擬的に再現すること、または再現された事象)、仮想および拡張現実にいたるさまざまの技術の導入をそれらの工場で計画中だ。ドーニー氏は、自社工場の製品梱包ラインを例に出して、作業を監視する検知器に代表される各種の接続技術が工程の劇的効率化に貢献することを強調した。
 
 同氏はまた、立体印刷について製品包装設計にとって有用のツールと話した。
 
 同氏はさらに、協働ロボット(コーボット)をすでに14台導入し、大型設備の設置が難しい狭い場所での作業自動化に役立っていると評価。人や機械の作業場と近接した空間で製品をパレットに積む協働ロボットの働きぶりも動画で紹介された。
 
 デジタル・ツインズについては、異なるラインや場所からIIoTデータを集めて現場の様子をデジタル技術で再現することで、「参照モデル」とは異なる機械やラインの稼働実態を把握することが可能になった、と同氏は述べた。
 
 拡張現実や仮想現実技術については、潜在的に強力なツールであると評価したうえで、実用化には限界もあると同氏は分析している。たとえば、多くの工場作業員らはヘルメットや頭髪ネット、耳栓を使っているため、身体装着機器との併用が難しい場合も ある、と同氏は指摘した。
 
 【https://www.automationworld.com/article/food-and-beverage/nestle-samples-selection-iiot-industry-40】(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 鎌倉の日本家屋 娘家族が今、7週間日本を旅行している。昨年はイタリアに2カ月旅した。毎年異...
  2. 「石炭紀のガラパゴス」として知られ、石炭紀後期のペンシルバニア紀の地層が世界でもっとも広範囲に広が...
  3. ジャパニーズウイスキー 人気はどこから始まった? ウイスキー好きならJapanese...
  4. 日本からアメリカへと事業を拡大したMorinaga Amerca,Inc.のCEOを務める河辺輝宏...
  5. 2024年10月4日

    大谷翔平選手の挑戦
    メジャーリーグ、野球ボール 8月23日、ロサンゼルスのドジャース球場は熱狂に包まれた。5万人...
  6. カナダのノバスコシア州に位置する「ジョギンズの化石崖群」には、約3 億5,000 万年前...
  7. 世界のゼロ・ウェイスト 私たち人類が一つしかないこの地球で安定して暮らし続けていくた...
  8. 2024年8月12日

    異文化同居
    Pepper ニューヨーク同様に、ここロサンゼルスも移民が人口の高い割合を占めているだろうと...
ページ上部へ戻る