過去2年間のガソリン価格の上昇にもかかわらず、クロスオーバー車の人気が乗用車やバン、SUVなどほかの軽量自動車(LDV)を上回っていることが、連邦エネルギー情報局(EIA)のまとめで分かった。
グリーンカー・コングレスによると、クロスオーバー車の販売台数は2017年9月以降、毎月ほかのLDVを上回っている。クロスオーバーは乗用車の車台を使った小型のSUVで、車高や車内空間はトラック車台のSUVに近いが、燃費は同じ車台 の乗用車よりわずかに劣る程度となっている。
ピックアップ・トラックやSUVは、セダンや多くのクロスオーバーより燃費は悪いものの、近年の販売シェアは比較的安定しており、特にピックアップは少し増えている。
クロスオーバーと乗用車は同じ車台を使っているが、たとえ同じエンジンや変速機を搭載してもクロスオーバーの燃費は同クラスのセダン(例えば「トヨタ RAV4」クロスオーバーと「トヨタカムリ」セダン)に比べると少し劣ることが多 い。しかし、乗用車からクロスオーバーへの人気の移行は、1990年代から2000年代初めの乗用車からSUVへの移行に比べると燃料消費に与える影響は小さい。
また、年間の燃料代の違いは比較的小さいため、最近のリセッション(景気後 退)末期の09年に燃費の悪いSUVから乗用車やクロスオーバーへの乗り換えが進んだような購入習慣の大きな変化にも至っていない。当時は年に1万5000マイル 走行する場合、燃費が20マイル/ガロン(mpg)の車を30mpgの車に買い換えれば年間のガソリン消費量を250ガロン減らすことができ、500ドル(1ガロン=2ドル)から1000ドル(同4ドル)を節約できた。
しかし、クロスオーバーの燃費はSUVやピックアップより乗用車に近く、燃費が向上すれば燃料消費量の削減効果が薄まる。例えば年に1万5000マイルを走行する人の年間ガソリン消費量は、35mpgのセダンの場合は約429ガロン、30mpgの クロスオーバーに乗った場合は500ガロンで、違いは71ガロンにとどまり、ガソリン価格が2〜4ドルの場合、年間節約額は143〜285ドルとなる。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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