米消費者の半数は車の所有やリースのコストが過度に高くなりつつあると感じ、オンディマンド(必要な時だけ使う方式)や共有型の輸送サービスに対する関心を高めていることが、コックス・オートモーティブ(Cox Automotive)の調査で分かった。
オートモーティブ・ニュースによると、国内消費者1250人を対象にしたコックス調査では、約40%が「移動手段を持つことは必要だが車の所有は必要ではない」と答えた。特に都市部では57%が「A地点からB地点への移動のために自家用車を持つ必要はない」と考えている。
こうした状況に危機感を抱く自動車業界は、新しいビジネスモデルを試しており、メルセデスベンツやBMW、GMなどはサブスクリプション(会員制の車両貸し出し)制度や、商業オーナーが車を個人に有料で貸し出す短期レンタル・サービスを立ち上げている。車を個人の所有物からサービスに変え、実際に個人が乗る車は他人の所有車であることが多くなる。この結果、自動車の消費者向け販売は現在より40%減る可能性があるとコックスは推定している。
新しい輸送方式で最も勢いがあるのはウーバーやリフトなどの配車サービスで、回答者の約40%が利用していると答え、15年から77%も上昇した。配車サービスは大都市が中心だが、郊外でも人気が高く、利用率は15年と比べて都市部で18%、郊外では21%上昇した。
短期レンタルの一種であるカーシェア(車両共用)は伸びが緩やかで、Y世代やZ世代が主な利用者となっている。短期レンタルは20年前からあるものの、認知度は54%だった。普及の障害はアクセス不足で、大都市でもアクセスがあるのは44%にとどまっている。これに対し配車サービスは、85%が「アクセスできる」と答えた。
短期レンタル市場は細分化され、消費者にとっては選択肢が多いが、明確なリーダーは存在しない。大手5社を合わせてもシェアの半分もなく、ウーバーとリフトが97%を占める統合された配車サービス市場とは対照的だ。
一方、新しい輸送モデルであるサブスクリプション・プログラムは、1台の車を購入する代わりに用途に応じてタイプの違う車が使えるサービスで、若く最新技術に精通した消費者に人気がある。消費者の25%は自動車メーカーやディーラー・グループがこのサービスを提供していることを知っていた。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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