アリゾナ州、財務記録管理をボットで自動化 〜 コスト低下で行政府でも導入進むRPA

アリゾナ州政府は、財務記録処理のためにボットを導入した。同州はそれによって、これまで職員らが実行してきた事務作業を自動化して迅速に処理できるようにする。テックターゲット誌が報じた。

▽職員の代わりにERPにログイン

ボット(bot)とは、コンピュータやオンライン機能を使った作業を補佐または自動化する簡便化ソフトウェアまたは作業代行ソフトウェアで、代理人ソフトウェアと呼ばれることもある。

アリゾナ州のシステムでは、ボットが職員の代わりに認証情報を使ってERP(enterprise resource planning)システムにログインし、ページをクリックして記録を照合し、必要に応じて変更を追加する。

▽90分の作業を10〜20分で

ボットには、人工知能を使って「答え」や処理を提案する能力はない。その代わりに、定型手続きに則してボットを機能させるよう設計することで、職員を単調な作業から解放し、より重要な職務に時間と労力を割けるようにすることを同州は狙っている。

たとえば、出張費モジュール向けの試作ボットの場合、管理者や電子メール・メッセージ中の記録違いを探し出し、関連システムの記録を自動更新するといったことが挙げられる。これまでは、そういった作業に職員が毎日最大90分をかけていたが、ボット導入によって10〜20分で完了できるようになった。

▽導入コストは1種類の業務処理あたり約3万ドルか

そういった自動化ソフトウェア技術は、ロボティック業務処理自動化(RPA=Robotic process automation)と呼ばれ、昨今では導入コストの低下とともに中規模企業での導入も加速し始めた。米財務省でもRPAを試験運用中だ。

アリゾナ州は、ボット導入費を明らかにしていないが、同州のクラーク・パートリッジ会計監査官によると、「費用は問題でなかった」。

調査会社フォレスター・リサーチでは、1種類の業務処理あたりのボットの構築および導入費は約3万ドルと見積もっている。

▽機能設計のコード書きに2週間

パートリッジ会計監査官によると、アリゾナ州の場合、財務記録処理向けのスクリプトを書くために約2週間を要し、その後に試験運用を実施した。

同州は、ボット導入をITサービス会社インフォメーション・サービス・グループ (ISG=Information Services Group)に発注し、ISGは2017年末に作業を開始した。

▽5〜10倍の処理能力

ISGが最初に実行したことは、ソフトウェア(ボット)をシステム利用者として確立させ、仮想デスクトップ・コンピュータへのアクセス権をボットに与えることだった。そのためには、ボットが必要とする機能へのセキュリティー・アクセス権をボットに与える必要があった。

ISGの政府部門事業担当幹部ネイサン・フレイ氏によると、ボットは一般に職員一人の5〜10倍の速度で業務処理できる。

▽現金照合にも導入を検討

パートリッジ会計監査官は、RPA技術の「最大の利点の一つ」を、ほかのシステムに立ち入らないことだと説明する。

「それによって、システム間のインターフェイスを大量に書く必要がなく、完全に新しい処理過程を創造する」「(RPA技術は)本質的に人間がするのと同じことを実行する」と同氏は述べた。

アリゾナ州は現在、規模を拡大したRPAの追加導入を検討中だ。職員が2〜3人で行っている現金照合過程への導入が最有力候補として挙げられている。

【https://searcherp.techtarget.com/feature/Software-bots-start-taking-over-finance-work-in-Arizona】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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