タイは日本車輸出の重要拠点〜南米・中東向け、海運は盛況

 タイで生産した車を中東や南米へ輸出するトヨタ自動車の販売戦略が成功し、自動車を輸送する海運業界に活気が生まれている。

 ビジネスウィークによると、タイからはトヨタのピックアップ・トラック「ハイラックス」やスポーツ多目的車(SUV)「フォーチュナー」などが輸出され、同国は2012年、中国を抜いて世界第3位のトヨタ車の生産拠点になった。これを受け、ロールオン・ロールオフ船(RoRo=積み降ろしにクレーンを使わない貨物船)の世界最大手、日本郵船(NYK)は13年の総運搬台数を5年ぶり高水準の345万台と予想している。

 タイにはトヨタの工場が3カ所あるほか、ホンダと日産自動車も計8億5000万ドルを投資して同国での生産能力を拡大しようとしている。中国では主に国内向けを生産しているのに対し、タイでは3社とも生産した車を他の途上国に輸出しているため、トヨタを最大顧客に持つNYKのほか、商船三井も記録的な運搬量を見込んでいる。

 ノルウェーの投資銀行RSプラトー・マーケッツによると、自動車を最大で7000台運べるチャーター船の12年の賃料は1日当たり2万4700ドルだったが、今年は2万4800ドルとなり、15年には2万8000ドルに上昇する可能性がある。

 NYKは17年3月までに、自動車運搬船の数を12年3月時点の121隻から130隻に増やす計画だ。

 豪投資銀行マッコーリー・グループによると、タイの自動車生産台数は15年末までに30%増の300万台に達する見通し。タイを「東南アジアのデトロイト」と呼ぶ専門家も多く、中国やインドより労使紛争が少ないことが利点に挙げられる。

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