ドイツ拠点の法人向けソフトウェア大手SAPは12日、米ユタ州拠点の新興企業クオル トリックス(Qualtrics)を80億ドルの巨額かつ現金で買収することで合意したことを明らかにした。多くの米報道媒体が非常に大きく報じている。
クオルトリックスは、調査(survey)ソフトウェアを法人向けに開発および提供して台頭中で、新規株式公開(IPO)を目前に控えていた。
買収手続きは2019年上半期中に完了する見通し。
テッククランチ誌によると、SAPは、クラウド型販促ソフトウェア新興企業のカリダス(Callidus Software、カリフォルニア州拠点)を24億ドルで買収したばかりで、将来有望のサース(SaaS=software-as-a-service)新興企業らを吸収することで、セールスフォース(Salesforce)をはじめとする競合大手らへの対抗力強化に注力している。
クオルトリックスは、顧客体験や消費者体験、従業員体験に関する調査とデータ解析機能を専門とし、消費者感情(顧客の意識)や従業員関係(雇用側が従業員との関係をいかに良好に維持するか)、製品、ブランドに関する調査(日本語でいうところの仏語 由来のアンケート)結果やデータを集めて分析するクラウド・プラットフォームを構築し、それらの機能を顧客会社らにオンライン提供している。約9000社がクオルトリックスのサースを利用しており、年商は4億ドル以上とみられる。
SAPは、クオルトリックスの機能を自社の蓄積データやソリューション群と統合することで、「体験管理(experience management=MX)」と呼ばれるソフトウェア分野で存在感を高め、法人向けクラウド・ソフトウェア事業をさらに拡充する計画だ。
今回の買収計画は、サース会社買収としてはオラクルが93億ドルを投じて2016年にネットスイートを買収したのに次ぐ史上2番目の規模。
同買収計画は、欧州や米国の独占禁止法当局に審査され、承認される必要がある。
【https://techcrunch.com/2018/11/11/sap-agrees-to-buy-qualtrics-for-8b-in-
cash-just-before-the-survey-software-companys-ipo/】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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