ソフトバンク、貨物輸送に参入 ~ SFの新興フォワーダーに投資

シリコンバレーの技術開発者が6年前に設立した物流支援業者フレックスポート(Flexport)は、ソフトバンク・グループのビジョン・ファンドが主導する増資ラウンドで10億ドルを調達した。ソフトバンクにとっては国際貨物輸送市場への本格参入になる。

■技術や物流を強化へ

ウォールストリート・ジャーナルによると、サンフランシスコを本拠とするフレックスポートは、エクスペディア・グループやプライスライン・グループといった旅行予約サイトのように、テクノロジーやウェブ・インターフェースを使って小売店やメーカー向けに船や航空機による貨物輸送の手配を引き受けている。

フォワーダーと呼ばれるこうした物流支援ビジネスの市場規模は2兆ドルに上る。フレックスポートは今回調達した資金で技術者を数百人増やし、テクノロジーの構築を進めるほか、主要都市で物理的な輸送業務を加えて国際ロジスティクスネットワークを強化する計画。

今回のラウンドにはビジョン・ファンドのほかに、Founders Fund、DST Global、Cherubic Ventures、Susa Ventures、SF Expressといった既存の投資家も参加した。フレックスポートのライアン・ピーターセンCEOは「良い条件で資金を調達できる環境だと感じた。これで大きな構想をより速く実現できる」と話している。同社が調達した資金はこれで通算13億5000万ドルになり、企業評価額は32億ドルとなった。

■もっと大きな顧客を

フレックスポートは、ソフトウェアを使って物流業界の効率を高めようと試みる近年登場したデジタルフォワーダーの1つで、これまではスピーカーのソノス (Sonos)、靴のオールバーズ(Allbirds)、下着のミーアンディーズ (MeUndies)といった消費者へのオンライン直販を行うブランドを中心に、多くのインフラを構築せずに事業規模を拡大する支援をしてきた。

しかし、これからはより大きな顧客を相手に迅速に商品を動かし、できるだけ多くの場所で物流機能を運営してアマゾンのような巨大eコマース企業との競合を支援したいと考えており「1つの物流センターへの大量出荷ではなく、小さな出荷をたくさん扱うことになるかもしれない」(ピーターセンCEO)という。

フレックスポートは現在、200カ国で1万近い顧客と取り引きしており、2018年は約5億ドルを売り上げた。従業員数はオフィスと倉庫合わせて11カ所で計1000人近くに増えている。事業の拡大では、太平洋路線でアジアから北米へと商品を運ぶイーストバウンドに力を入れる。

国際フォワーダー大手には、ドイツポスト傘下DHLサプライ・チェーン、スイスのキューネ・アンド・ナーゲル(Kuehne + Nagel International)、シアトル拠点のエクスペダイターズ・インターナショナル(Expeditors International of Washington Inc.)、デンマークのDSV A/S、スイスのパナルピナ・ワールド・トランスポート(Panalpina World Transport)などがある。

ソフトバンクにとってフレックスポートは国際貨物輸送分野での最初の投資だが、これまでにもトラック配送のウーバー・フレイトを運営するウーバー・テクノロジーズやレストランの出前アプリ会社ドアダッシュ(DoorDash)といった物流関連の新興企業にも多額を投じている。18年はフル・トラック・アライアンス・グループ(Full Truck Alliance Group)として知られる中国のトラック配車アプリ最大手、満幇(マンバン)集団にも投資している。 (U.S. Frontline News Inc.社提供)

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