出前ロボット、困った様子なら助けてあげて

食品配達の分野でロボットが注目され、地域限定でさまざまな手法が試されている。人の仕事をロボットが奪うと懸念する声もあるが、今はまだ技術が未熟なため、試作品がいろんな問題で立ち往生し、通りかかった人に助けられることが多い。

■欠陥や「いじめ問題」

ウォールストリート・ジャーナルによると、コロンビア拠点のスタートアップ企業キウィ・キャンパス(KiWi Campus)は、人間の認識機能を組み込み、ウインクなどの表現ができるディスプレイを備えた小型の配達ロボット「キウィボット(KiwiBot)」を開発。カリフォルニア大学バークリー校(UCバークリー)周辺のレストランと提携し、注文の食事を同ロボットが目的地まで自動運転で配達するサービスを提供している。

UCバークリーにはキウィボットが120台導入されているが、ある学生の話では、階段に登れず後退したはずみに花壇の中に落ちて身動きできなくなった1台を見たため拾い上げて歩道に戻したところ、ディスプレイにハート型の目を表示しながら走り去ったという。

一方、ロボットを茂みに投げ込んだり、抱え上げて横向きに地面へ叩きつけるといった破壊行為も見られる。電池の欠陥によって発火したキウィボットもあり、学生が消火器で消し止め、その夜は焦げたロボットの追悼のため約60人がろうそくを持って現場に集まったという。

また、同業のスターシップ・テクノロジーズ(Starship Technologies、サンフランシスコ拠点)は、2018年10月から英国のミルトンキーンズで50台以上の出前ロボットを試験しており、地元コミュニティのソーシャル・メディア・ページには「困っているロボット」に関する情報が投稿されている。住民はいじめからロボットを守ったり、雪に埋もれたロボットを心配したりしている。

スターシップが19年1月から25台を送り込んだバージニア州のジョージ・メイソン大学では、4台が互いに向き合って身動きが取れず、立ち往生しているところが目撃されている。

■地域に愛されることも重要

競合の激化に伴い、ロボットメーカーは地域の当局者や住民に受け入れられやすいロボットを作ることを重視している。キウィの場合、ロボットが怖そうに見えないよう、かさばるナビゲーション用レーザーセンサーを取り外した。スターシップも、数十の友好的デザインを検討した結果今の四角いデザインを選択し、人間のような声で「Hello, here’s your delivery(こんにちは。お持ちしました)」といった言葉もしゃべらせている。同社が公共の場でロボットが動けなくなった時に誰かが助けるかどうかを事前に調査したところ、音で助けを求めれば人が手を貸してくれることが多かったという。

このほか、ロビー・テクノロジーズ(Robby Techologies、シリコンバレー拠点)は 道を歩く小さなペットのような配達ロボットをテスト中で、「Excuse me」や「Thank you」などの言葉を発し、人間との交流を深める力があるという。

一方、国防総省から研究資金を受け取っているボストン・ダイナミクスの配達用ロボット「スポット(Spot)」は愛らしさを追求しておらず、4本の足で機敏に動く。オレゴン州拠点のアジリティ・ロボティクス(Agility Robotics)も、かわいい車輪式のロボットは階段などの障害に対応できないため、首から上がない人のような歩くロボットを製作している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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