若者の車離れが販売に影響 ~ 「自由の象徴」の時代終わる

米国では若者の車離れが激しく、新車販売に影響を与え始めている。

■免許取得率が大幅低下

ウォールストリート・ジャーナルによると、16歳の運転免許取得率は1983年の46%から2017年には26%と大きく低下、20~24歳でも92%から約80%に下がり、車を初めて購入する時期も遅くなっている(ミシガン大の交通研究者マイケル・シバク氏)。

かつて免許証は自由の象徴だったが、今は取得可能年齢に達したティーンエイジャーもほとんどが移動にウーバーやリフトといった配車サービスを使える上、ソーシャルメディアや動画チャットの普及で外出しなくても友人と交流できるようになった。

20代になると大都市に移る人が増え、大都市では大量輸送機関が発達して車の所有が必要でも実用的でもなくなっている。車を買う場合も、20代は上の世代より中古車を購入する人が多い(いずれもJDパワー調べ)。理由の1つは新車価格の上昇で、特にデトロイトの米メーカーは、「フォード・フィエスタ」や「シボレー・クルーズ」のような運転初心者にふさわしい低価格の小型車の多くを切り捨てている。

過去10年間はSUVやトラックの人気が着実に高まり、それらは利益率も高いため、自動車メーカーにとってはSUV重視の戦略は当然といえるが、新車販売が減速している現在、多くのZ世代(1997年以降に生まれた世代)の考え方は親の世代や自動車メーカーを困惑させている。

ミシガン州で自動車学校All Star Driver Educationを所有するブレント・ウォール氏によると、かつては14歳8カ月になれば誰もが自動車学校に通い始めたが、現在は15~16歳の生徒が増え、それも親の勧めで入学する場合が多いという。

■SUV重視戦略は危険?

デトロイトのメーカーは、車の購入を先送りしている若い消費者も、経済的に余裕ができて家庭を持てばいずれ車を買い、その時はSUVかトラックを選ぶと高をくくっている。しかしコンサルティング会社アリックスパートナーズのマーク・ウェイクフィールド氏はこれを「危ない賭け」と見ており、「都市化と所有コストの上昇に市場の成熟という事実が重なって、車の販売が伸びなくなる可能性がある」と警告する。

市場調査のJDパワーによると、ミレニアル世代(Y世代とも)がドライバー人口に加わった04年、彼らは60万7329台の新車を購入したが、続くZ世代が19年に購入する新車は48万8198台と約12万台少なくなる見通し。コストはますます上がっており、新車に払う平均的な価格は10年前の2万5490ドルから18年は3万2544ドルに上昇。新車ローンの月々の支払い額は535ドルに達し、中間所得の10%を超えてほとんどの米国人が手に負えない水準となっている。

Z世代は金融危機の時代に育ち、節約意識が高い傾向にあるうえ、多額の学費ローンを抱える人も多く、高額商品の購入には慎重だ。現在、米国では学費ローンの負債総額が1兆5000億ドルに膨れ上がり、クレジットカード負債や自動車ローンの総額を超えている。

ティーンエイジャーの運転免許取得にもお金がかかるようになっており、州予算の削減で多くの公立校は無料の運転教習を提供しなくなり、民間のコースは1000ドル以上する。また、小型車を切り捨てるほかにも自動車メーカーはより多くのテクノロジーを車に詰め込んで価格をつり上げ、その結果修理費が高くなり、保険料も上がった。若者にとってはますます車が買いにくくなっている。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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