アルファベットの自動運転車(AV)開発部門ウェイモが2018年末にアリゾナ州フェニックス地区で開始した有料配車サービス「ウェイモ・ワン(Waymo One)」は現在、1000人を超える利用者がいる。「信用できない」「乗るのが恥ずかしい」と敬遠する声もあるが、継続して乗っているベテラン利用者にとっては、以前と比べると乗車がずいぶん快適になっているようだ。
■自転車追い越し滑らかに
オートモーティブ・ニュースによると、フェニックス郊外のチャンドラーに住むダミアン・ニコルズ氏は、3人の子の父親で、地元学校区のためのITの仕事をしている。過去2年間、同氏の周りにAVに乗ったことがある人はほとんどいない中で、彼は100回以上利用している。
ニコルズ氏はウェイモの事業が「初期利用者プログラム」だったころから利用を始めた。有料サービスへと段階が進んだ今まで、日々の利用を通じて自動運転技術の変化をつぶさに見てきたという。「以前は、自転車に近づくと車はうんと速度を落として追い越したもんだよ」と、同氏は話す。「車が神経をすり減らすとは言わないまでも、当時はそんなふうに見えたね。でも今は違う。ずいぶん滑らかでうまく走っている。自転車の動きを完全に把握している」
■運行では地元と協力
現在、ウェイモ・ワンの利用者は1000人以上。州内を走るウェイモ・ワン車両の正確な台数は不明だが、ウェイモは「所有車600台のうち大部分」と説明している。
ニコルズ氏によると、台数が増えるにつれ、車が見つかるまでの時間が短くなっている。たいていは3分ほどで見つかり、5分以上かかることは珍しい。
ミニバンの「クライスラー・パシフィカ」を改造したウェイモ・ワン車両は、今でも大部分に緊急時のための「安全ドライバー」が同乗している。しかし、ウェイモの広報によるとドライバー不在の車両も一部に存在する。
車両以外でも、ウェイモは円滑な運行を確実にするためパートナー探しに時間をかけた。チャンドラー市との提携では、市職員の多くがウェイモ・ワンのAVを利用できるようになっている。この提携によって、市は所有車両を減らせる可能 性がある。
チャンドラーのほかにも、ウェイモはフェニックス市南部にある商業施設アワトゥキ・フットヒルズ・タウン・センターと協力し、ウェイモ・ワン乗降専用の 区画を設けてサービスを利用しやすくしている。
■人目を気にする人も
ニコルズ氏はウェイモのAVについて「駐車場の心配をする必要がない。それがすぐに好きになった理由の1つだ。今は私にとって不可欠な存在になっている。1杯か2杯、酒を飲みに出かけようとする時も心配する必要がない。妻と一緒の時も会話を楽しめるし、次に何をしようか検索することもできる。とても快適だ」と話した。
一方、ニコルズ氏の大学生、高校生の子どもたちはまた違った印象を持っている。氏によると「1人は最もばかげことだと考えている。自動運転車に乗っているのを見られるのは恥ずかしいそうだ」「しかしほかの2人は夢中だ。『ウェイモで食事に出かけよう』と言ったりする」。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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