アマゾン(Amazon)は、車の製造を除くほぼすべての輸送分野に事業を拡大している。
ロイター通信によると、同社は、自動車供給網の分野で投資や提携を積極化させており、自動車業界のベテランたちを雇用し、自動車または輸送関連の特許も数多く取得し、自社向け物流事業を強化している。
昨今、アマゾンはUPSやフェデックスの競合社になりつつある。フェデックスは実際、アマゾンが物流市場に進出したことを理由に、アマゾンの商品配達業務を請け負わない決定を下したばかりだ。
アマゾンは、2016年12月から2019年5月にかけて、米国内で5000件以上の特許を取得した。そのうち少なくとも201件はドローンから自動運転車(autonomous vehicle= AV)まで配送や移動にかかわる技術およびソリューションで占められる。アマゾンの自動車関連特許取得の勢いはアップルやグーグルを上回るほどだ。
商品の配送や配達を自動化することがアマゾンのおもなねらいだが、2017年には、オンデマンドのAVサービスに関する特許を含め、人の移動に関する複数の特許も取得している。そのため、それほど遠くない将来には、アマゾンがウェイモやウーバー、リフト、フォード、フォルクスワーゲン(VW)、GMといった自動車製造および移動サービス大手らと直接競合する可能性が高まっている。
アマゾンはまた、電動トラック開発のリヴィアン・オートモーティブ(Rivian Automotive)や、自動運転システム開発のオーロラ(Aurora)、食品配達サービスのデリヴァルー(Deliveroo)の新興3社に総額20億ドル近くを投資した。アマゾンはさらに、アプティヴやパナソニック、エヌビディア、エンバーク・トラックス(Embark Trucks、サンフランシスコ拠点)、中国のトゥーシンプル(TuSimple)と提携し、AV開発や輸送、移動サービスの開発への関与を強めている。
それに加えてアマゾンは、自社の自然言語処理人工知能(仮想執事)のアレクサ(Alexa)の車載を積極化させている。アレクサは昨今、車載システム音声制御の基幹技術として存在感を強めている。同社は、自動車メーカーらとすでに提携し、数社の自動車メーカーがアレクサを車載している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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