米国内48州とワシントンDC、そして米自治領プエルトリコの司法長官らは、アルファベット傘下のグーグル(Google)を独占禁止法違反の疑いで調査する、とテキサス州のケン・パクストン司法長官が9日に発表した。
同調査に参加しないのは、カリフォルニアとアラバマの2州だけだ。
ロイター通信によると、パクストン長官が同調査を主導し、グーグルのオンライン広告事業が市場での圧倒的優位性をてこ利用して競合社らに不当競争を強いていないかどうかに焦点をあわせて調査する。ウェブサイト検索市場で約9割の占有率をにぎるグーグルが健全な市場競争を阻害する商習慣を行っている可能性を払拭できない、と州司法長官らは考えている。検索市場2位のマイクロソフトの占有率は6.7%だ。
州政府らによる調査は予備調査の段階で、不当競争行為の証拠が見つかれば同社は起訴されることになる。また、調査は最初、広告事業にしぼられるが、調査が進む過程で調査対象が広げられる可能性もある。
6日には、8州とワシントンDCの司法長官らがフェイスブック(Facebook)を独占禁止法違反の疑いで共同調査することを発表したばかり。フェイスブックは、ソーシャル・ メディア市場での圧倒的優位性を乱用して広告料金をつり上げた疑いをかけられている。
連邦政府の司法省独占禁止法局や連邦取引委員会(FTC)でもフェイスブックやグーグルを同様の疑いで調査する方針をすでに公表している。
一連の調査開始発表は、ギャーファ(GAFA)に対する政府の目が厳しくなったことを顕著に示す動きだ。ギャーファ(GAFA)とは、グーグルとアマゾン、フェイスブック、そしてアップルの技術大手4社の社名の頭文字をとって総称することば。連邦議会でも下院司法委員会がギャーファの商習慣や利用者情報保護について6月に調査に着手した。
グーグルの広告事業をめぐっては、EU競争法にグーグルが違反したとEUの欧州委員会が3月に判断し、制裁金約14億9000万ユーロ(約1760億円)の支払いをグーグルに命じた。
調査会社イーマーケターによると、2019年の米国デジタル広告市場で首位グーグルの占有率は37%、2位はフェイスブックで22%、3位はアマゾンで9%。
【https://www.reuters.com/article/us-tech-antitrust-probe/u-s-states-launch-antitrust-probe-of-big-tech-google-ads-in-focus-idUSKCN1VU107】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2025年2月17日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
人工知能代理人を導入した5社の事例 〜 創薬や金融分析、コード書き、福利厚生質疑応答、販促に活用
-
2025年2月13日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
旅行計画に生成人工知能を使う人が増加 〜 富裕若年層に顕著、今後は中高年層でも急増の見込み
-
2025年2月12日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV需要減速で、ミシガンの電池工場計画にも変化
-
2025年2月10日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
中国製人工知能モデルがシリコン・バレーを激震させる 〜 ディープシークの台頭が米技術大手らに突きつけること
-
買い控えのトレンド拡大~SNSを中心に
-
2025年2月7日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
台湾、政府機関によるディープシーク・サービス使用を禁止 〜 米国やイタリアも禁止または制限、英国も注意喚起
-
2025年2月6日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
加州、無公害トラック義務化を断念~排ガス規制が大きく後退
-
2025年2月4日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ロサンジェルス郡の山火事で緊急対応アプリケーション群の使用が激増 〜 発生場所や大気汚染、避難命令、強風警報、さまざまの状況を逐次追跡
-
ユナイテッド航空、機内インターネット接続の試験を前倒し 〜 スターリンク端末を順次搭載へ、今春にも運用開始
-
2025年1月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
自動車メーカー、5G切り替えで難しい判断