ビザ(Visa)は、決済サービス市場が向こう5年でパスワード不要のシステムに移行すると予想し、生体認証機能を拡充する方針だ。認証技術や不正防止技術の進化が背景にある。
ZDネット誌によると、金融サービス会社や商業主がこれまでの10倍以上のデータを共有するようになる。また、不正使用を検知できる人工知能技術の浸透によって、生体認証機能と人工知能を融合させた認証機能がさらに進化する。署名や個人ID番号といった従来型のCVM(cardholder verification methods)は、いずれ排除される。
これまで長年にわたって本人認証に使われていたパスワードや個人ID番号は、利用者が記憶しておかなければならない。変更による覚え違いやほかの認証情報との混同といった課題を抱えており、多くの消費者をいらだたせる要因の一つにもなっている。また、サイバー犯罪によってクレジット・カード情報が盗まれて盗用されるという脆弱性もある。
生体認証は一気に解消、便利であり安全でもある。ビザは過去4~5年のあいだにクレジット・カード不正使用を3分の1に減らし、クレジット・カード決済における不正使用の割り合いは0.1%未満という過去最低水準まで下がった。同社は、人工知能を活用した不正使用検知機能を1993年から導入している。ビザ・カードが使われるたびに、約500の不正使用可能性要因にもとづいて、人工知能基盤の検知システムによって100分の1秒で不正使用かどうかを判断している。
【https://www.zdnet.com/article/visas-vision-for-the-future-of-payments-is-password-free/】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ブラック・フライデイ週末の買い物人口、過去最高に ~ NRFの予想を超える、オンライン販売が好調
-
2023年11月30日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
老朽化した基幹設備の保守管理でロボットが活躍 ~ 業務を停止せず、危険な作業を肩代わり
-
グーグル、商品の画像生成ツールを提供開始 ~ 広告主や販売業者らの広告画像作成を大幅に簡便化
-
通販商品の返品に手数料~ネット購入控える消費者も
-
2023年11月20日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
世界最大級の広告主ら、人工知能への移行を積極化 ~ 生成人工知能で広告コンテントを作成
-
非常持ち出し袋や防災訓練に脚光~災害に備える米国人が増加
-
2023年11月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVの需要鈍化に高金利が追い打ち
-
2023年11月9日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
ランサムウェア攻撃に対し身代金を払ってはいけない理由 ~ その場をしのげても長期的には高くつく
-
2023年11月6日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
オープンAI、法人向けチャットGPTサービスを提供開始 ~ 「チャットGPTの最強版」で収入源の増強をねらう
-
2023年11月2日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
環境に優しい豆なしコーヒー~シアトルの新興企業が開発