カリフォルニア大学アーヴァイン校の学際研究者集団は、自然発火の発生から大規模火災(実質的には山火事)につながる可能性を予想する機械学習モデルを構築した。
ベンチャービート誌によると、その決定分類モデル(decision classifier model)は、単一のデータセットを使って、任意の発火が大規模自然火災につながるかどうかを約50%の確率で予想する。50%という確率は低いと思われるが、研究者たちが複数の気象変数と複雑な予想モデル群を駆使してこれまでに試みた数々の予想より高精度だ。
カリフォルニア大学アーヴァイン校の研究者らは、アラスカ大規模火災データベース(Alaska Large Fire Database)から得た2001~2017年におけるアラスカ州内の1100件以上の火事(山火事、自然火災)データや気象予報、大気中水分濃度(湿気)データを使って一つの人工知能(機械学習)を訓練し、個々の火災を規模に応じて大中小に分類した。
その結果、予想モデルは、大規模自然火災に発展した発火のうち約50%を的中させた。
アラスカとカリフォルニア州北部、カナダの北西部では、夏のあいだに多くの山火事が自然発生する。乾燥が主因の一つだ。住民らの命が危険にさらされることは滅多にないものの、野生動物や住宅群、社会基盤、自然が広範囲にわたって焼失する場合もある。
任意の発火が大規模火災につながるかどうかを高確率で予想できれば、消火や避難、保全に必要な資源を必要なときに必要な場所に効率的かつ効果的に割り振ることが可能となる。
【https://venturebeat.com/2019/09/18/researchers-use-machine-learning-to-predict-large-wildfires/】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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