「モノの人工知能」で活性化される新たな商機 ~ ヴィジュアル・キャピタリスト誌、4分野を特定

人工知能(AI)とモノのインターネット(Internet of Things=IoT)を融合させたモノの人工知能(Artificial Intelligence of Things=AIoT)という概念と技術応用に期待が寄せられる。ヴィジュアル・キャピタリスト誌によると、AIoTは、運動量の追跡および運動量データの解析や都市計画、スマート住宅、スマート製造、予想保守、スマート供給網といった広範囲の分野や業界にさらなる効率化ソリューションをもたらすことが確実だ。

▽台湾TSMC、AIoTがチップ需要を押し上げる、と期待

台湾のチップ最大手TSMCはAIoTの潜在性に注目する一社で、5G通信とビッグ・データ、そしてAIoTを融合させることで、次段階のスマート機能が可能となり、大きな商機が生まれ、その結果、チップ需要を押し上げる、と考えている。

IoT接続網につながる機器類や端末の数は2025年までに世界で420億台に達すると予想される。その結果、蓄積されるデータの量も新たに生成されるデータの量も激増し、それと同時に5Gの本格的普及によってそれらの転送と応用も加速する。

現時点で、AIoTのおもな応用分野としては、既述のように、1)身体装着端末、2)スマート住宅、3)スマート都市、4)スマート産業、の4つに大別される。

1.身体装着端末

スマート腕時計に代表される端末が利用者の健康状態や運動量、行動様式、そのほかの生命兆候を追跡し、よりスマートな健康管理機能が可能になる。集められたデータを解析することで、たとえば運動選手やさまざまのスポーツ球団の健康管理や練習設計の改善に寄与する可能性がある。

2.スマート住宅

照明や電子製品、空調システムが利用者の使用パターンを人工知能によって学習して、さまざまの住宅内機能が自動化かつ最適化されるようになる。

3.スマート都市

世界各地における都市化傾向を受けて、都市部の安全化や都市機能の最適化の需要が高まる。その結果、たとえば公共交通網の運営効率化やエネルギー消費最適化、公衆安全の向上といった機能がAIoTによってさらに推進されるとみられる。

4.スマート産業

製造業から天然資源採掘までビッグ・データと5G通信、そしてAIoTによってさらなる洞察の抽出と活用が進む。それにともなって、これまでよりさらに広範でのデジタル変革が加速し、効率化と自動化、コスト削減をもたらしながら、人間による間違いを排除する機能が現場にもたらされると予想される。

ガートナーによると、2022年までに産業界におけるIoT導入事業の80%に人工知能が活用される見込みだ。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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