アジアの電子機器製造大手ら、メキシコでの生産拡大を模索 ~ 中国リスク拡大を受けて米国の「ニアショアリング」に注目

米中貿易戦争や新型コロナウイルス感染拡大を受けて多くの会社が国際供給網を見直すなか、台湾の電子機器メーカー鴻海(ホンハイ)精密工業やペガトロン(Pegatron) を含むアジアの製造大手らはメキシコでの生産拡大を模索中だ。

ロイター通信が両社の関係者の話しとして伝えたところによると、ホンハイは、メキシコの新工場でアイフォーンを生産する計画を検討中で、2020年内に最終決定を下す可能性が高い。ペガトロンは、チップやそのほかの電子部品を生産する新施設をメキシコに開ける計画について金融機関との交渉を始めた。

ホンハイは、メキシコに5つの工場をすでに持っている。その拡大は、米中貿易摩擦やパンデミック危機が長引くなかで中国を避けるという国際供給網の変化が広がってい ることを示すものだ。

また、米国政府も「ニアショアリング(近場での拠点設置)」を推進しており、トランプ政権は、各社がアジアから米国や中南米、カリブ海周辺に生産拠点を移しやすくする経済的奨励策の実施を模索している。

メキシコは、米国およびカナダとの新貿易協定(United States-Mexico-Canada Agreement=USMCA)に加え、地理や低賃金、時間帯といった面で米州向け製品の生産拠点として利点がある。

ホンハイの劉揚偉会長は最近、台北での投資家会議において、米中緊張悪化によって世界が「二つのグループ(G2)」に分かれている、と指摘した。同社はその両方にサービスを提供するため、2組の供給網の提供に取り組んでいる、と同氏は述べた。

同氏はまた、「世界の工場はもう存在しない」と語り、中国外での生産量がさらに増えていく、と指摘した。同氏によると、同社製品の約30%は中国以外で製造され、その比率は高まる見込みだ。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

Universal Mobile

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2023年2月14日

    愛するアメリカ
    サンフランシスコの町並み 一年中温暖なカリフォルニアだが、冬は雨が降る。以前は1年間でたった...
  2. キルトを縫い合わせたような美しい田園風景が広がるグラン・プレ カナダの東部ノヴァスコシア州に...
  3. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  4. 九州より広いウッド・バッファロー国立公園には、森と湿地がどこまでも続いている ©Parc nati...
  5. 2022年12月9日

    住みたい国
    熊本県八代市の「くまモンポート八代」で 8月の終わりから9月中頃にかけて、私とニナは日本に飛...
  6. 2022年12月7日

    日常の些事
    冬の落ち葉 年齢を重ねると、だんだんと感動が薄くなるとはよくいわれる。ほとんどのことは過去に...
  7. 2022年12月6日

    美酒と器
    酒器の種類 酒器にはさまざまな素材、形のものが存在する。適切な器を選ばないとお酒本来...
  8. 契約上のトラブル 広範囲にわたる法律問題を扱う弊社にはさまざまなお問い合わせがありま...
ページ上部へ戻る