デジタル遺産管理サービス新興企業グッドトラスト(GoodTrust)は、ソーシャル・メディア・サービスや購読制オンライン・サービス、オンライン銀行といった個人のデジタル・アカウントをはじめ、写真や動画に代表されるデジタル資産を、個人の死後に本人や家族に代わって管理するサービスを提供している。遺族の心身の負担を軽減し、アカウント乗っ取りや個人情報盗難といった犯罪に巻き込まれることを防ぐのが目的だ。
同社のサービスを利用するには、本人が生前にグッドトラストと利用契約を結ぶ必要がある。
ベンチャービート誌によると、グッドトラストが提供するサービスには、故人のフェイスブック(Facebook)アカウントでの追悼ページの作成や、ネットフリックス(Netflix)、スポティファイ(Spotify)といった購読制オンライン・サービスのキャンセル、不要になったアカウントの閉鎖が含まれる。利用者は、他人に知られたくないアカウントを秘密裏に閉鎖することや、家族写真や動画をデジタル・アカウントから取り出して保存することも依頼できる。
グッドトラストのサービス料金は40ドルからで、同社のサービスは現在、100以上のウェブサイトに対応している。高額プランでは、特に金銭がからむ場合、故人以外が口座にアクセスするために必要となる裁判所命令の取得も同社が代行する。
顧客は、アカウントの利用者名や認証語をはじめ、法的委任状と、顧客が利用するウェブサイトが求めるすべての必要書類をわたす。グッドトラストが顧客のアカウントに生前にアクセスすることもなければ、故人のアカウントのコンテントを閲覧することもない。
同社によると、一部の難しい事例を除き、アカウント閉鎖と資産受け渡しの業務の多くは自動化されている。
グッドトラストが2020年に実施した調査では、米国成人の90%が自身のデジタル資産(電子メール、写真、ソーシャル・メディア、オンライン銀行、各種サービスの認証語など)について、死後にどうなるかわからないと回答した。そういったデジタル資産を故人に代わって処理するオンライン・サービスがあれば利用したいと答えた人は84%に上った。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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