マサチューセッツ州で3日、自動車メーカーに機械的および電子的修理データをもっと開示させ、独立系の自動車修理業者も高度な新技術を扱えるようにする州法案の住民投票が行われ、圧倒的な賛成多数で承認された。
ロイター通信によると、3900億ドル規模と言われる米国の自動車データ・アフターマーケットの主導権争いで、今回の決定は独立系の自動車修理業者が勝利した最初の例になった。
車の走行および衝突回避システムが飛躍的に進歩する中、自動車メーカーの多くは安全性とプライバシーの確保を理由に、情報やワランティー(品質保証)の提供を認定ディーラーでの部品交換と修理に限定している。こうしたデータは複雑で機密性が高く、現代の自動車修理には独自の技術を伴う高度な訓練が必要だとも主張している。
これに対し独立系の修理業者らは、情報の入手制限は収益性の高い修理サービス市場を支配しようとする行為であり、消費者に割高なメーカー系ディーラーの利用させる方法の1つだと批判している。また、修理データのワイヤレス伝送を推進して第三者が閲覧できないようにする自動車メーカーの動きにも懸念を抱いている。
独立系修理業者、アフターマーケット部品メーカーなどでつくる団体Auto Care Associationのビル・ハンベリー社長兼CEOは「この住民投票は、技術が進歩しても車の所有者が信頼できる独立系修理業者と修理データを直接共有できることを意味する」と述べ、業界もサイバーセキュリティー専門家と協力してデータ伝送中のプライバシー保護にも取り組んでいると付け加えた。
州の有権者の75%が賛成したこの法案は、2022年型以降の車を対象にオープンプラットフォーム・アプリケーションを介して車の診断および機械的データをだれもが利用できるようにすることを義務付ける内容。
ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、トヨタ、ホンダ、日産などの自動車メーカーは同法案の住民投票に反対していた。米国自動車イノベーション協会(AAI)のジョン・ボゼラ社長兼CEOは、この方法は車のセキュリティーに真のリスクをもたらすと懸念しており「メーカーは車を安全、確実に整備するために必要な診断および修理情報はすべて開示してきた」と指摘した。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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