技術調査会社オミディア(Omidia)によると、ゲーム内広告の販売高は、2019年の 423億ドルから2024年には560億ドルに達すると予想される。また、アクセンチュア(Accenture)の調査では、モバイル・ゲーム利用者の73%以上が、ゲーム内の広告表示を許容する姿勢を示した。
ベンチャービート誌によると、操作が比較的簡単なカジュアル・ゲームに分類されるゲームの提供会社らは、さまざまの形式の広告を収入源としてすでに利用している。一方、ハードコアやミッドコアに分類される本格的ゲームのメーカーらは、ゲーム内広告を付加的な売り上げ手段として認識し始めているところだ、とフェイスブック・オーディエンス・ネットワーク(Audience Network)部門で戦略提携担当部長を務めるハーン・キム氏は説明している。
ゲーム提供会社らのそういった認識の違いは、ゲームの種類によって効果のある広告の型が異なるからだ。カジュアル・ゲームは一般的に無料だが、ハードコアやミッドコアのゲームは有料だ。そのため収入モデルがまったく異なる。「すべてに当てはまる画一的な取り組みがあるわけではない」とキム氏は言う。「ただ、それぞれの分野での最善策はある」。
広告を効果的に表示しながらもプレイ中の利用者を邪魔しないようにするには、ゲームに広告をうまく統合する必要がある。適切な広告表示のタイミングや場所、方法は、ゲームの分野によって異なる。
たとえば、カジュアル・ゲームの利用者は、無料でゲームを楽しめる代償と考えて広告表示を受け入れる傾向にある。特に持続時間の短いゲームでは、インタースティシャル(モバイル・アプリケーションを操作して画面が切り替わる際に画面全体に表示される広告)広告や動画リワード広告を比較的頻繁に表示できる。
一方、アクション・ゲームやロール・プレイ・ゲームは、ゲーム時間が長くなる傾向にあり、プレイヤーの入れ込み方も異なるため、バナーやインタースティシャルのようなディスプレイ広告の形式はゲームの邪魔と受け止められる可能性がある。
「この種のゲームでは、動画リワード広告とゲーム内購入のバランスをとるのが効果的だということを学んだ」とキム氏は説明する。同氏によると、ゲーム内に広告を表示すればゲーム内購入の売上高が減るとこれまで認識されてきたが、それはかならずしも事実ではなく、ゲーム内にうまく統合すれば、逆に価値を高められることがわかってきた。
ゲーム内広告の効果的な表示方法を模索する過程では、開発者がA/Bテストを行ってさまざまのパターンを試験するのが賢明だ、とキム氏は話した。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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