太陽電池セルの変換効率を改善〜ファーストソーラー

 ソーラーパネル(太陽電池)の製造大手ファーストソーラー(First Solar、アリゾナ州テンピ)は、2011年には17.3%だったセル(電池の基幹部品)の光電変換効率を18.7%まで高めることに成功し、テルル化カドミウム・セルの変換効率では世界最高を達成した。

 ギガオムによると、セルの変換効率が高まると一定量の光エネルギーから得られる電気エネルギーが増え、コスト低下につながる。パネル製造のコストや時間は同じでも、1枚当たりの発電力が上がれば電力1ワット当たりの生産コストが下がるためだ。ファーストソーラーは長年低コストを重視してきたが、近年はより安い中国製品などに押されている。

 ファーストソーラーは同時に、テルル化カドミウムという材料にまだ効率改善の余地があることを示そうとしている。現在ほとんどのセルに使われているシリコンやテルル化カドミウムは、変換効率が限界に近づいているという議論もあり、メーカーは新しい材料を使わずに効率を高める方法を模索している。

 ただし、今回ファーストソーラーが達成した18.7%の変換効率を大量生産商品で実現するにはまだ数年かかる見通し。また、変換効率はセルをパネルにした時点で少し下がる。同社のパネル変換効率は、約1年前に14.4%と発表されているが、大量生産品の実際の効率は12年末現在で平均12.9%となっている。

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