マイクロソフト(Microsoft)は12月8日、アジュール・デジタル・ツインズ(Azure Digital Twins)の一般提供を開始した。アジュール・デジタル・ツインズは、試用版として2018年10月に投入されていた。
ベンチャービート誌によると、マイクロソフトはまた、2020年5月に共同設立した業界団体デジタル・ツインズ・コンソーシアム(Digital Twins Consortium)が、これまでに民間企業や行政機関、学術機関を含む170以上の加盟組織を集めたことも公表した。
デジタル・ツインは近年に、さまざまの業界で採用されてきた。デジタル・ツインのソフトウェアを専門とするロンドン拠点の新興企業センサット(SenSat)は、建設や鉱業、エネルギーをはじめとするいくつもの業界で顧客を獲得している。ゼネラル・エレクトリック(GE)は、産業機械のパフォーマンスを管理するためのデジタル・ツインを提供している。
アジュール・デジタル・ツインズの利用顧客たちは、デジタル・ツインズ定義言語(Digital Twins Definition Language=DTDL)を使ってモデルを定義する。物理環境の物体や人を表現して、現実の様子をグラフで示し、そのグラフをアジュール・デジタル・ツインズのエクスプローラーで視覚化できる。さらに、外部の演算資源と接続することでデジタル・ツインのデータを処理および分析することもできる。
マイクロソフトによると、韓国の斗山重工業は、アジュール・デジタル・ツインズとベントリー・システムズ(Bentley Systems)の技術を使って、風力発電所のデジタル・ツインを構築した。斗山はそれによって発電状況を遠隔監視し、気象条件にもとづいて正確に予想できるようにしている。
また、建物管理技術大手のジョンソン・コントロールズ(Johnson Controls)はマイクロソフトと協力して、デジタル・ツインを活用した新しい建築設計ツールを開発しつつある。
土木工学模擬化技術を開発するアンシス(Ansys)は、アジュール・デジタル・ツインズとの統合を実現しており、かたや商業建物管理会社のブルックフィールド・プロパティーズ(Brookfield Properties)は、アジュール・デジタル・ツインズにもとづくウィロウ(Willow)の技術を使って、マンハッタンにある建物のデジタル・ツインを構築している。
調査会社のマーケッツ&マーケッツ(Markets and Markets)では、デジタル・ツインのサービス市場が2020年の31億ドルから2026年には482億ドルに成長すると予想している。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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