「ノン・ファンジブル・トークン(non-fungible token)」(非代替トークン)、略してNFTが過去数週間に急に注目されるようになった。ツイッターの設立者ジャック・ドーシー氏が2006年の初ツイートをNFTに換えて競売に出品したことも一因だ。テッククランチ誌はこのほど、NFTsがどのように作られ、どのような用途に使えるかをポッドキャストで説明した。それによると、NFTsの最大の用途は、デジタル・プラットフォームで作られる文化現象や作品の所有権と真正性をブロックチェーン技術によって裏付け、創造物に金銭的な価値をもたらし、その作り手に見返りをもたらすことにある。
たとえば、ティックトック(TikTok)に投稿したダンス動画が一躍人気を博したとすると、これまでは、その人がその創造物から金銭的な見返りを得る方法は非常にかぎられていた。レコード会社が契約して芸能人としてデビューできる可能性はあったかもしれないが、圧倒的大多数の自称アーティストらは、何も得ることなく終わってきた。
NFTsがこの種の文化現象を売買できるようにするからと言って、その市場がいったいどれほどのものになるかはもちろん予想できない。また、NFTsは、環境にとって良くない影響を及ぼす可能性もある。NFTsの売買に使われるイーサリアムは、ビットコインほどではないとはいえ、きわめて重いチェーンだ。ブロックをチェーンに書き込むのに多数の作業が必要であり、取り引きを確認するためのチェーンに使用するイーサリアムを採掘するのに大量の電力を消費する。とはいえ、何らかの価値がある現象や作品を生み出したデジタル作家らが、それを楽しむ人たちから直接的に利益を受ける方法はこれまでなかったことから、NFTsは、わくわくするような新たな手法と機会をもたらすといえる。
デジタル芸術家ビープル(Beeple)の非代替トークン(non-fungible token=NFT)が3月11日に競売サービス大手のクリスティーズで6930万ドル落札され、競売された NFTとして史上最高額を記録した。
ビープルは、デジタル芸術家マイク・ウィンクルマン氏の作家名。同氏は、最近に非常に注目されるようになったデジタル芸術家の一人。
CNBCによると、ウィンクルマン氏は、「NFTを見た瞬間に、あらゆるもののデジタル所有プラットフォームに巨大な潜在性があると思った」「NFTは、デジタル資産の新たな分類になる」と話した。
「日々:最初の5000日間(Everydays: The First 5,000 Days)」と題された同作品は、競売サービス大手が初めてあつかったNFTだ。今回の競売はオンライン形式で実施された。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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