日曜大工用品小売チェーン大手のホーム・ディーポ(Home Depot)とロウズ(Lowe’s)は、効率化と競争力を強化するための供給網刷新を進めている。
新型コロナウイルス・パンデミックが2020年春に始まってオンライン化の重要性が一段と高まったことや、春夏の繁忙期に向けた業務効率化を次段階に高めるために、両社ともそれぞれ10億ドルという巨額を投じ、供給網管理技術とオンライン注文処理システム網の刷新に注力している。
サプライ・チェーン・ダイヴ誌によると、不可欠(必須)小売会社に位置づけられたことでパンデミック中の店舗閉鎖を義務づけられなかった両社は、オンライン注文品の店頭引き渡しやオンライン販売の増加を受けて、パンデミック下での2回目の繁忙期を迎えるなか、オンラインとオフラインを融合させた複合販路戦略を推進している。
ホーム・ディーポでは、パンデミック以降、それまでの技術活用計画を変更し、配送および大量注文処理に特化させるはずだったシカゴ施設をオンライン販売向けの直接受注処理センターに転換させた。
ロウズは、パンデミック前の資本支出計画を変更して複合販路拡充に予算をあて、非接触型の店頭引き渡しロッカーを支店群に設置し、オンライン受注処理に特化した専門部隊を各支店に配置した。
両社ともオンラインとオフラインの融合戦略を2010年代後半から進めていたため、 2020年3月以降にそれを一気に加速させた。
両社はさらに、ウェブサイト訪問者たちが商品のSKU(stock-keeping unit)を商品サイト・ページ上で確認できるようにした。そのほか、店頭引き渡しを望む消費者に対し、消費者の端末から位置情報を検出してその周辺地域にあるどの支店に当該商品の在庫があるかどうかを確認できるようにした。その結果、ホーム・ディーポの既存店売上高は、2020年第4四半期に前年同期比25%増、ロウズでは28%増を記録した。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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