eコマース隆盛で倉庫が不足、レントは高騰

米国の倉庫市場では、高まり続ける電子商取引関連のスペースを確保しようと企業が数少ない優良物件を奪い合い、レント(賃貸料)が上昇している。

■人気スペースは争奪戦

ウォールストリート・ジャーナルによると、ビジネスは個人消費の増加に対応するため、消費者がオンラインで購入した商品をより早く配達することに力を入れている。小売業者や物流業者は、人口密集地の近くに商品を保管できるよう倉庫物件の確保に奔走しており、最も競争の激しい場所では競り合いが起きている。

国内58市場の動向を把握する不動産会社CBREグループによると、産業用不動産の需要は非常に高く、実際に家主とテナントが契約する基本レントは、家主が提示する希望レントよりも高いペースで上昇しており、2021年1~5月は希望レントが前年同期比で7.1%上昇したのに対し、基本レントは9.7%上昇した。

特に港や都市に近い物流スペースおよび大規模なeコマースの物流拠点に使われるような大型倉庫の価格は急上昇している。ニュージャージー州北部の場合、5月までに1年目の基本レントが前年比で33%上昇したが、南カリフォルニアのインランドエンパイアでは24.1%増だった。50万平方フィート以上の大型倉庫スペースの基本レントは13.2%増加した。

CBREの産業・ロジスティクス調査国際責任者ジェイムズ・ブリーズ氏は「有効な選択肢はほんのわずかで、しかも戦略的に非常に重要なため、企業は高いレントでも喜んで払う」と話す。

■今後も需要は拡大

新型コロナのパンデミックとロックダウンで小売業者の多くが店を閉め、人々は家にとどまってインターネット通販の利用が広がったため、小売業者はデジタル分野への投資を加速させている。

CBREの予測によると、米小売売上高のうちeコマースの構成比は、20年の推定20%から25年には26%に上昇する見通しで、さらに3億3000万平方フィートの配送スペース需要が生まれることになる。ブリーズ氏によると、物流業者、小売業者、卸売業者は商品をより早く配達して輸送コストを削減するため、地域の拠点として機能する倉庫を増やしている。また企業は、在庫不足を避けるため商品を手元により多く置きたいと考えている。「eコマース、在庫管理、経済回復による消費者需要が要因になっている」(ブリーズ氏)

しかし、物流施設を専門とする産業不動産の国内最大手プロロジス(Prologis)の6月の報告によると、倉庫を新しく建てられる都心部に近い産業用地の面積は過去10年間で減少している。特に多くの労働者が必要なeコマースの注文履行に使えるような天井が高く駐車場の広い大きな建物は供給がひっ迫しており、物件の開発は二番目に近い市場へと広がっている。

ニュージャージー州の不動産会社ツリートップ(Treetop)は、19年からニューヨーク市の北に1時間ほどの場所にあるニューヨーク州ミドルタウンやフィッシュキルといった町で、高速道路に近い倉庫用の広大な土地を探している。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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