レンタカー業界、EVへと大きくシフト

レンタカー業界が、電気自動車(EV)の導入を増やしている。

■株価に影響

ウォールストリート・ジャーナルによると、業界大手ハーツ・グローバル・ホールディングスとエイビス・バジェット・グループは最近、それぞれプラグイン車の提供を拡大する計画を発表した。ナショナルやアラモなどのブランドを持つ非上場企業のエンタープライズ・ホールディングスも、特に小型車をレンタルまたはリースする顧客向けに電動車の追加を検討している。

エイビスのジョー・フェラーロCEOは11月初めの決算発表で「今は米国で製造される車の約2%がEVだが、2025年にはその数が約10%になり、30年には30%を超える可能性がある。当社はそこで大きな役割を果たす」と話している。

レンタカー会社やそれを利用する企業は、積極的な環境対策を求める株式市場からの圧力にさらされている。最近ではEVを重視する企業の株価が急騰しており、ハーツがテスラに10万台のEVを発注したというニュースは両社の株価を上昇させ、テスラの時価総額は初めて1兆ドルを超えた。

■ESG面でも利点

現在は、EVやハイブリッド車(HV)を借りる顧客の選択肢が比較的限られており、エイビスの場合は21年現在でも世界の所有車に占めるHVとEVは合わせて約3%に過ぎない。エンタープライズのクリス・ハフェンレファーEV戦略担当者がEVの可能性が最も高いと見ている分野は、主に長期契約を求める企業にサービスを提供する商用レンタカー会社や商用車管理会社で、これらのビジネス顧客は、よりコスト意識が高く、電動車がもたらすメンテナンスや運用コストの削減効果に価値を見出しているという。

電動車への移行は、ESG(環境対応・社会的責任・企業統治)の観点からも大きな利益をもたらす可能性がある。レンタル車両にゼロエミッション車を組み込めば二酸化炭素(CO2)排出量が減り、レンタカー会社のESG評価が改善するほか、企業顧客も環境対応車をレンタルすればエミッション削減に貢献でき、ESG評価が高まる。

■残る課題

一方でいくつかの課題も残る。通常、EVはガソリン車より割高なため、レンタカー会社の初期費用が高くなり、レンタル料金が上がる可能性がある。また、公共の充電網が充実しないと、レジャー旅行者はどこで車を充電すればいいか分からず、それが顧客体験の低下につながる可能性がある。

さらに、レンタル会社は駐車場に充電ステーションを設置し、車の使い方を消費者に伝えなければならず、かといって教育を急ぎすぎると客が離れる恐れもある。

このほか、電動モデルがどの程度再販価値を維持できるかはまだ不確実で、頻繁に複数の車を入れ替えるレンタカー会社にとっては懸念材料になる。

現在、EVの個人オーナーは充電の大部分を自宅で行っているが、レンタカー利用者は公共の充電施設しかない。エンタープライズのアフェンレファー氏は、借り手に対するEVの魅力を高めるには、より強固な公共充電網の開発が重要と指摘する。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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