小売チェーン大手ターゲット(Target)は、オンライン小売最大手のアマゾン(Amazon)からさまざまの小売技術を学ぼうとしている。
オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー紙によると、ターゲットは、新型コロナウイルス・パンデミックを受けた都市封鎖や営業制限による打撃から復活するために、クラウド・サービス群やデジタル・ツール群を駆使してオンライン小売部門を大幅に拡充する方針を打ち出している。同社はそれにともなって、アマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)をクラウド提供業者として選んだ。
ターゲットによると、AWSは、マイクロソフト・アジュール(Azure)に代表されるクラウド競合社にくらべてウェブサイトの動作を早くでき、安定性もより高く、個々の顧客への反応も迅速に実行でき、さらにコストが90%低い。
アジュールもほかの小売業界大手らに選ばれており、AWSと比較しても技術的およびコスト的な優劣はそれほど明白ではない。小売業向けソリューションに強みを持つというAWSの特性が、ターゲットにとって採用の決め手になったもようだ。
ターゲットの技術担当統括責任者サマンサ・マッキンタイヤー氏は、現在、売り上げ全体の約15%しか占めないオンライン販売高を激増させることを目標に掲げており、それを実現するにはAWSとの協業が最善の選択肢だと判断した、と説明した。
ターゲットは、AWS採用以前には、特売や新製品発売といった需要急増時にオンライン・システムが対応しきれずに販売機会を逃すことも多々あった。最新の在庫をオンライン消費者に提供したり、新たなオンライン買い物機能を導入したりするのに、従来なら2ヵ月かかっていたのが、AWSを採用したことで1日で実行可能になった、とマッキンタイヤー氏は話した。
ターゲットがAWSを選んだ理由にはもう一つある。それは、アマゾンの革新的な店舗内技術だ。アマゾンは、キャッシャーレス店舗技術を最初に実用化した小売会社であり、また、オンライン購入者への商品引き渡しも完全非接触化するソリューションを普及させた。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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