ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ナイキ(Nike)は、運動靴の愛好家たちがナイキ・ブランドの仮想スニーカーに投資するようになるという見込みのもと、非代替トークンに代表される台頭中の仮想品市場に事業を拡張する計画だ。
非代替トークン(non-fungible token=NFT)とは、デジタル・プラットフォームでつくられる文化的現象や作品の所有権と真正性をブロックチェーン技術によって裏付けた創造物およびその形態。
ナイキは、デジタル技術を活用した事業展開に注力するスポーツ・アパレル・ブランドの代表格だ。
同社は、2020年に起業したばかりのNFT新興企業アーティファクト(Rtfkt)を12月初めに買収した。買収額は非公表。ナイキは、アーティファクトをどのように機能させるかについて明らかにしていない。
ナイキは最近、スウーシュ(swoosh、ナイキ・ロゴの名称、日本語ではスウッシュと表記されるが実際の発音はスウーシュ)を刻印したスニーカーや衣料品のNFTを販売するための商標も申請している。同社はさらに、仮想ゲーミング・プラットフォームのロブロックス(Roblox)内で、利用者らが自身の仮想分身(アヴァター)にナイキ製品を着せることができる仮想空間を立ち上げた。
アーティファクトは、2021年5月の資金調達によって企業価値が3330万ドルと評価された。同社は、独自の仮想スニーカーとアヴァターをデザインし愛好家らに販売しており、それらをわずか数分で100万ドル単位の高額で販売した。同社はまた、「鍛造催事(forging events)」という複数の催事を介して、同社の創造したNFT群の購入者らがそれぞれの仮想スニーカーをもとに物理的スニーカーをつくれる製造サービスも展開している。
ナイキはアーティファクトの事業モデルを取り入れて、デジタル事業をさらに拡充することが確実だ。ナイキはまた、NFT群をもとにした固有の物理的製品を発売することも視野に入れている。それと同時に、オープンシー(OpenSea)のようなデジタルいちば経由でそれらのトークンを取り引きできるようにする計画だとみられる。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
Z世代に訴求するサービスを各社が追求 ~ ゲーミフィケーションや双方向性がカギ
-
2023年3月23日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
AMラジオ非搭載のEVは危険~元FEMA局長らが警告
-
オレオレ詐欺、音声クローニングで巧妙化 ~ なりすましが見破りにくくなり被害が増える可能性
-
2023年3月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
パナソニック、米EV電池工場から多くを学ぶ
-
カーレント・サージカル、革新的ながん治療用「スマート」針を開発 ~ 非常に高い精度で腫瘍だけを熱焼灼
-
2023年3月9日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
NY市、EV普及の課題は充電器の設置
-
IT企業の人員削減、H1Bビザ労働者に大打撃
-
2023年3月2日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
チャットGPT、デジタル販促業務の自動化を促進か ~ 生成人工知能の業務応用、2023年に加速
-
全米小売連盟主催の見本市に見る3大技術動向 ~ 在庫管理合理化、店舗運営の生産性、キャッシャーレス会計
-
スマート家電「非接続派」を説得せよ