アマゾンは2月8日、同社の遠隔医療サービス制度「アマゾン・ケア(AmazonCare)」を全米に拡大させたことを明らかにした。アマゾン・ケアは、仮想(オンライン)医療と対面医療の両方をオンデマンドおよび外来診察の両方で提供することで、医療サービスの足りない部分を補うことをねらうサービスだ。
テッククランチ誌によると、アマゾン・ケアの仮想医療サービスは全米を対象とするが、対面医療サービスはまだ限定的で、2022年中に20都市が追加される見通しだ。
対面サービスは現在、シアトルやボルチモア、ボストン、ダラス、オースティン、ロサンゼルス、ワシントンDC、アーリントンで提供されている。同社は、サンフランシスコとマイアミ、シカゴ、そしてニューヨーク市を含む主要都市に対面サービスを拡大する予定。
アマゾン・ケアは、自社従業員とその家族を対象に2019年にシアトルで最初に提供開始された。同社は2021年3月に、同サービスを他社にも提供し始めた。同サービスを利用する会社にはホール・フーズやシリコン・ラブがある。
アマゾン・ケアは、救急医療と一般診療内科(家庭医療)を提供する。インフルエンザやフルー・ショット(予防接種)のほか、病気の診断やけがの治療、処方薬を提供する。新型コロナウイルス・パンデミックが始まってからは、コーヴィッド19(COVID-19)のウイルス検査やワクチン接種にも対応した。
米国では医療費が異常に高く、医療保険制度も限定的であるため、医療や保険に不満を持つ人は多く、受診に消極的になり病気の発見が遅れることもある。アマゾン・ケアでは、遠隔診察を気軽に受けられるようにすることで、病気の早期発見を促進し、悪化する前(治療費が高額になる前)に治し、医療コストを抑えるというねらいもある。従業員らの健康管理と健康維持を優先し、患者のニーズにかならず応える医療サービスの確実な提供に重きを置いている、とアマゾン・ケアのクリステン・ヘルトン代表は話した。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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