連邦のEV充電インフラ支援、まずは州間道路を優先

2021年に連邦議会で承認された約1兆ドルの連邦インフラ法案で、電気自動車(EV)の充電網構築のために割り当てられた計75億ドルの予算は、まず50億ドルを州間道路への急速充電器の設置に充て、その後に農村部や混雑した都市部などに広げることになる。

■最初の1年で6億ドル

ウォールストリート・ジャーナルによると、充電ネットワークの整備はクリーンエネルギー車への移行を加速させるバイデン大統領の政策の重要な部分で、まずは全米を結ぶ使用頻度の高い州間道路沿いに充電所を設置し、電池切れを心配せず長距離を移動できるという安心感をEVドライバーに与える。早ければ9月にも州に資金が交付される可能性があり、連邦当局はこのほど、州が建設資金を申請する際の指針を発表した。

計画によると、政府は従来の自動車専用道路に対する連邦助成金と同じ形式で、プログラムの最初の12カ月に計6億1500万ドルを州に支給する予定で、テキサス、カリフォルニア、フロリダ各州に最も手厚く分配される見込み。

■50マイルごとに設置

指針は、州は州間道路をほかの場所よりも優先して充電所の建設を進めるべきと規定している。運輸長官は、州間道路を中心とする使用頻度の高い幹線道路を結ぶ計画を認定する。連邦政府はすでに「回廊(corridor)」と呼ばれる多くの州間幹線道路を設定しているが、州は事業認可の申請でその調整または拡張の承認を求めることができる。

充電所は50マイルごとに、州間道路から1マイル以内の場所に設置しなければならず、それぞれ少なくとも合計600キロワット(kW)の出力が必要で、150kW以上を同時に供給できる4つ以上のポートを設置する。一般ドライバーまたは複数の車両運用業者が利用できるようにする必要があり、一般ドライバー向けの場合は、個人所有の駐車場に充電所を設置することができる。

行政当局は、従来のガソリンスタンドと同じくらい簡単に充電所を利用したいという一般市民の要望に対応することを目指しており、そのために長期の家族旅行、休暇、または商品を輸送する車やトラックが多く利用する州間道路に焦点が当たった。ただし、連邦政府の資金はこれらの充電所設置コストの80%しか賄えず、連邦道路管理局(FHWA)はほとんどの州は民間部門と契約して充電所の設置と運営を行うと見込んでいる。

■25億ドルで残りをカバー

残りの25億ドルの連邦資金に関しては、充電所設置プログラムを共同で実施している運輸省とエネルギー省が22年後半に規則を発表する予定。この分の予算はほかの2つの裁量的助成プログラムを支援するため、どの州も対象になる可能性があり、全国的なEV充電システムの格差をできるだけ小さくし、需要の高い地域を補助し、サービスが不十分または負担が大きすぎる地域、特に辺地を支援するために投じられる。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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