ガソリン高騰で電動車の人気上昇

全米でガソリン価格が記録的に高騰する中、電気自動車(EV)などのクリーンエネルギー技術に対する消費者の関心が高まっている。

■有効な代替手段

ウォールストリート・ジャーナルによると、米国自動車協会(AAA)の調査では、全米平均ガソリン価格は3月11日に過去最高の4.33ドルに達し、前年同期比で約1.35ドル上昇した。

金融サービス大手ノーザントラストによると、ガソリン価格が1ドル高くなるごとに家庭の月々の費用は50ドル以上増えるため、燃費の悪いガソリン車に代わる移動手段を探す消費者が増えている。

自動車情報ウェブサイト大手エドマンズ・コムでは、3月第2週に同サイトで検索された自動車販売情報の4分の1がハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、またはEVで、前週比で39%、2月の第2週からは84%も増加している。

消費者動向調査ピープルセイ(Piplsay)の3月半ばの報告書によると、米国人の3分の2以上は燃料価格の上昇に神経質になっており、49%が「ガソリン車の維持費は手頃な額ではない」と感じている。また、ほぼ半数が「EVは内燃エンジン(ICE)車の有効な代替手段になり得る」と考えている。

エドマンズによると、EVの購入を検討している消費者は、購入の決め手となる要素として第1に「環境」を、続いて「ガソリン価格」を挙げる。EV購入に関心のない人は、依然として「EVの価格の高さ」「充電インフラ不足」「車の航続距離」などを懸念しているという。また、今はEVが不足し、一部の購入者は納品まで1~2年待たされるという状況も生まれている。

■電池コストも上昇

EVは、車両コストの約30~40%を占める電池の価格がここ数年で急落したことを背景に、より多くの大手自動車メーカーが低価格で提供するようになり、人気の勢いが増している。国際エネルギー機関(IEA)によると、2021年の世界EV販売台数は前年比2倍以上の660万台に増え、世界の販売構成比は前年の4.1%から9%に上昇した。

しかし、石油とガソリンの高騰でEVへの関心が高まった半面、EV用電池材料の値上がりがEV移行の障害になる恐れもある。世界の電池サプライチェーンを追跡しているベンチマーク・ミネラル・インテリジェンス(BMI)によると、最も人気の高い2次電池(蓄電池)の重要な材料であるリチウム価格は1年前と比べて約6倍も上昇している。もう1つの重要材料ニッケルも、主要生産国であるロシアからの供給が減速または完全に遮断されるかもしれない情勢の中で、ここ数週間で過去最高値を更新した。

化石燃料の記録的な価格高騰に伴い、他のクリーンエネルギー技術への関心も高まっている。特に欧州では、ロシアのウクライナ侵攻により天然ガス価格が記録を更新しており、ドイツ経済省は2月、ロシアへのエネルギー依存を抑制しようと風力および太陽光プロジェクトを加速させる計画を発表した。欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットによると、EU加盟国は平均してガスの約40%をロシアから輸入しているが、ドイツは50%以上をロシアに依存している。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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