マイクロソフトのサイバーセキュリティー事業は、ほかの主要事業のどれよりも急速に成長している。CNBCによると、同社は現在、その成長事業をさらに強化すべく、三つの新たなサービスを提供開始し、同分野での存在感を高めている。
▽コンサルティング指向のサービス提供に重点
マイクロソフト(Microsoft)は、クラウド・ソフトウェアとクラウド・インフラストラクチャーの有力大手であり、それらの関連技術は、世界中のあらゆる規模の無数の会社の基幹技術になっている。
そのため、同社はセキュリティー・ソフトウェアを提供するだけでなく、近年のサイバーセキュリティー脅威激増を背景に需要が供給をはるかに上回る同市場においてコンサルティング指向のサービスを提供できる立場にある。
マイクロソフトによるセキュリティー事業への投資拡大は、ランサムウェア攻撃やハッキングの脅威の増大に対処するために、世界中の多くの会社がサイバーセキュリティー対策への支出を増やしていることを受けたものだ。
▽年間研究&開発費を10億ドルから40億ドルに
同社を含む多くの技術会社らは2021年に、米国で約50万人のサイバーセキュリティー関連の雇用を創出することを打ち出している。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、サイバーセキュリティー関連の年間研究&開発費を10億ドルから40億ドルに激増させる方針だ、と話していた。
マイクロソフトにとってセキュリティー事業はすでに年商150億ドルの規模に達している。2021年の成長率では、ほかのどの事業部門よりも大きく拡大した。
▽三つのセキュリティー・サービスを市場投入
同社が最近に市場投入したセキュリティー・サービスには、1)マイクロソフト・ディフェンダー・エキスパーツ・フォー・ハンティング(Microsoft Defender Expertsfor Hunting)、2)マイクロソフト・ディフェンダー・エキスパーツ・フォーXDR(Microsoft Defender Experts for XDR)、3)マイクロソフト・セキュリティー・サービシズ・フォー・エンタープライズ(Microsoft Security Services forEnterprise)の三つがある。
一つ目は、マイクロソフトの工学者らが顧客の端末および機器類やオフィス365生産性ソフトウェアの実装、クラウド・アプリケーションやIDプログラムに発見した問題を利用者一人あたり月額3ドルで通知する。
二つ目は、利用者一人あたり月額14ドルで、顧客会社がサイバー脅威に対処するためにマイクロソフトの専門担当者らに支援してもらうというサービスだ。4大会計事務所も同サービスを使っている。
三つ目は、さらに広範かつ包括的でコンサルティングに近い人間主導のセキュリティー・サービス群を提供する。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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