不況到来懸念が強まるなかでも恒久的遠隔労働の容認や大卒要件の撤廃といった門戸拡大の動きが技術会社以外の大企業のあいだで顕在化している。そういった採用条件緩和の一部として、静かに広まっているのが入れ墨露出容認の動きだ。
CNBCによると、UPSやディズニー、、ヴァージン・アトランティック航空といった大企業は昨今、服装や外見の規定緩和の一環として、従業員らが職場で入れ墨を見せることを許可した。就職希望者を増やしながら離職者を減らそうという考えが経営陣のあいだで強まったためだ。
ホーム・ディーポでCFOを長年務めたキャロル・トーメー氏が2020年6月にUPSのCEOに就任した際、同氏が最初に行った取り組みの多くは、全世界で53万4000人を超える従業員らの仕事満足度を高めることで、その一部が身だしなみの制限緩和だ。
「UPSではひげ類を禁止し、黒人に多く見られるツイストやブレードといった髪型も認められていなかった」「入れ墨については、米軍より厳しく規定されていた」とトーメー氏は話す。同氏はまず、「ひげ類を仕事用に整髪」したり、髪型を「自然な格好」にしたりといった条件でそれらを容認した。
UPSの従業員&企業文化担当副社長クリストファー・バートレット氏によると、トーメー氏の身だしなみ緩和策が好評を博したのち、同社では2021年に、社内調査や従業員たちとの協議を経て、顔と首、頭、手(腕は対象外)に入れ墨を入れることを禁じるものの、それ以外の入れ墨なら見えてもよい、という方針に変えた。
一方、ディズニーのパーク部門は2021年4月に、従業員らが入れ墨を見せることができるようスタイル・コードを緩めた。極端でなければ入れ墨は「個人表現」の一部であり尊重されるべき、と同社の幹部ジョシュ・ダマーロ氏は説明した。
ディズニーの従業員ハンドブックによると、顔や頭、首にあるものを除き、手を広げた大きさ以下の目に見える入れ墨が許可された。ただ、入れ墨の内容が裸体や不快な言葉、会社の方針に反する場合には従来どおり禁止対象だ。
ヴァージン・アトランティック航空でも、制服組に対する「目に見える」入れ墨禁止令を5月に撤廃した。
米陸軍も、入れ墨許容範囲を6月に拡大した。米陸軍の場合、手や首のうしろの入れ墨も認められ、腕や脚の入れ墨の数の上限を引き上げた。米国陸軍訓練教練司令部によると、兵役中の18歳から34歳の41%が少なくとも一つ以上の入れ墨を持っている。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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