米国政府は11月28日、米国内の無線通信網を保護するために、複数の中国大手ブランドの通信機器および監視カメラ装置の輸入および販売を禁止する方針を明らかにした。
テッククランチ誌によると、連邦通信委員会(Federal Communications Commission=FCC)は11月25日、「国家安全保障に対する受け入れがたいリスク」をもたらす機器メーカーらの製品群の輸入と販売の禁止を拡大する方針を全会一致で採択した。
その結果、通信網機器製造大手のファーウェイ(Huawei)とZTE、監視カメラ製造大手のハイクビジョン(Hikvision)とダフア(Dahua)、双方向無線機製造大手ハイテラ(Hytera)が米国の取り引き規制強化対象企業リストに追加される。
同決定は、米国のジョー・バイデン大統領が11月に署名した2021年安全機器法(Secure Equipment Act of 2021)にもとづいて大統領令を実行するものだ。
FCCによると、それらの中国メーカーの製品群は、「公共安全や政府施設のセキュリティー、そのほかの国家安全保障の目的で使われない」ことが保証されないかぎり、米国内への輸入と販売が禁止される。既存の規制で許可された製品群はその影響を受けないものの、既存の取り引き許可が今後取り消される可能性はある、とFCCと説明した。
米情報機関群は、中国の機器メーカーらが中国共産党のセキュリティー・サービスに情報を開示するよう命じられることを問題視している。中国メーカーらはその可能性を否定しているが、中共が制定した法律では、すべての中国企業と中国国民は、中国政府からの要請があれば、情報収集や情報開示に協力することが義務づけられている。
中国メーカーらの機器類は、利用者らの情報を不正収集して北京に提供する可能性が高いため、国家安全保障に深刻な危機をもたらす、と米情報機関らは米政府や米議会に前から警告している。
さらに、中国メーカーらの機器類は、人権侵害や市民弾圧の道具として中共によって悪用されている。ハイクビジョンの監視カメラは、人工知能技術と統合され、ウイグル人やそのほかのイスラム系民族らの特定や行動監視、強制収容に使われている。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2023年1月31日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
加州、ゼロ排ガス交通インフラ整備に29億ドル
-
デルタ航空、機内ワイファイ・サービスを2月から無料化 ~ 競争力強化に注力、高単価客の獲得に照準
-
2023年1月26日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
小売大手ら、2023年に食品廃棄削減に注力 ~ カギは「逆物流」技術、追跡と分析で廃棄回避を強化
-
2023年1月23日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
自動車分野の技術革新、実用化には時間が必要
-
2023年1月18日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
機械学習の普及をさらにあと押しする潮流 ~ AWSの人工知能責任者、6大要因および傾向を特定
-
2023年1月16日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 環境ビジネス, 米国ビジネス
仕事や暮らしに革新をもたらすデジタル・ツインの活用法 ~ フォーブス誌、専門家15人の見方を紹介
-
2023年1月12日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
ウォルマート、ロブロックスと提携しメタヴァースに参入 ~ Z世代向けに仮想空間体験を提供へ
-
小売店、オンライン注文処理もこなす実店舗が増加
-
2023年1月5日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
電気自動車、大衆市場に食い込めるか
-
米年末商戦の小売売上高、7.6%増を記録 ~ インフレにもかかわらず予想以上に成長