技術大手らの新規雇用凍結が新興企業の人材獲得に追い風 ~ VC投資低迷にもかかわらず約4割が採用強化

マクロ経済の先行き不透明感の強まりを受けて、技術業界の大手らが人材雇用の縮小または一時凍結をあいついで打ち出していることから、起業後期の新興企業らが優秀な技術人材を確保できる可能性が高まっている。

ロイター通信によると、技術人材の多くは、アップルやグーグル、アマゾン、マイクロソフト、メタ・プラットフォームスといった巨大技術会社で働くことを望んでいるが、数十年ぶりの高インフレーションやドル高、大幅利上げの影響で、技術大手らがコスト抑制の一環として新規の人材採用を控えているため、新興企業の一部では、優秀な技術者の獲得を積極化させている。

フィンテック新興企業X1カード(X1 Card)のディーパック・ラオCEOは、同社の従業員数が1年間で2倍以上の35人に増え、今後数ヵ月に大企業から従業員がさらに加わるだろうと話している。

グローバルデータによると、米国の新興企業らが調達したベンチャー・キャピタル(VC)投資は、2022年最初の8ヵ月間に前年同期比約3割減の1463億ドルに縮小した。不況到来懸念の強まりを受けたIPO(新規株式公開)市場の低迷によってVC投資が冷え込んだためだ。

にもかかわらず、人材調達サービス会社アンディアモ(Andiamo)のパトリック・マクアダムスCEOによると、起業後期にある新興企業の一部は、重要な技術職の空きについては優秀な技術者の獲得に注力している。「1年前なら新興企業たちは大企業らに買い負けしていたが、いまはそういった人材を獲得できるようになった」と同氏は指摘する。

新興企業スタック・オーヴァーフロー(Stack Overflow)のプラシャント・チャンドラセカールCEOは、コーディング・プラットフォームの技術者数を2022年に入ってから2倍以上の540人に増やしたと話した。その一部は、グーグルやアップルから引き抜かれたソフトウェア工学者たちだ。

新興企業コンサルティング会社マスチャレンジ(MassChallenge)が新興企業経営者581人を対象に実施した調査では、40%以上が2022年上半期に人材採用を強化したことがわかった。また、技術人材発掘担当者らは現在、給与提示額を引き上げている。グーグルとアップル、マイクロソフト、メタは取材に応じなかった。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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