ウォルマート(Walmart)は、オンライン・ゲーミング・プラットフォーム大手のロブロックス(Roblox)との提携を通じて、メタヴァース市場に参入する。
CNBCによると、ウォルマートが同市場に最初に投入するのは、1)おもちゃを落とす飛行船や著名歌手による音楽祭、さまざまのゲーム、2)ウォルマートの店舗やウェブサイトにあるものと同じ仮想商品「ヴァーチ(verch)」をあつかう仮想店舗だ。
ウォルマートが9月26日に明らかにしたそれら二つのメタヴァース体験は、ウォルマート・ランド(Walmart Land)とウォルマートのユニヴァース・オブ・プレイ(Walmart’s Universe of Play)と呼ばれる。
ウォルマートでは、新型コロナウイルス・パンデミックを受けた消費行動のオンライン移行をはじめ、ソーシャル・メディアやアプリケーションの多用、ゲーミング・サービスの利用といった行動変化に合致する新たな小売のあり方を模索している。メタヴァース市場への進出はその一環だ。
ウォルマートは、ティックトックやツイッター、ユーチューブの動画で買い物できる生配信ソーシャル・コマース(ソーシャル・メディアを媒体とする小売業)催事も開いている。また、ピンタレストとの提携では、家具や装飾品が自宅内でどのように見えるかを見られるようにする拡張現実(AR)ツールも展開している。
ウォルマートの最高販促責任者ウィリアム・ホワイト氏は、メタヴァースにおける今後の事業展開に向けてロブロックスが実験場としての役割りを果たすことになるだろうと話している。同氏によると、ウォルマート・ランドやユニヴァース・オブ・プレイは、一般的に25歳以下と定義されるZ世代の消費者を念頭に置いて設計されている。
ウォルマートは、現時点では、仮想世界の没入体験から利益を得ることはないと考えている。ゲーマーらはデジタル・トークンといった報酬を獲得し、ロブロックスの仮想品の購入に充てることができる。ただ、将来的には、ウォルマートのメタヴァースに参加するブランド会社らから出店料金を徴収したり、消費者の仮想体験を実在店舗や小売サイトへの誘導につなげたりといった販促によって利益をあげる方法を視野に入れている、とホワイト氏は述べた。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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