スーパーマーケット業界は毎年250億ドル相当の食品を廃棄している、と環境対応技術新興企業のダイヴァート(Divert、マサチューセッツ州コンコード拠点)は指摘する。
ダイヴァートは、アホールド・デルヘイズやクローガー、アルバートソンズ、CVS、ターゲットを含むスーパーマーケット大手や大規模小売店チェーンらを含む5200社以上を顧客に、埋め立て地に捨てられる売れ残り食品の削減に取り組んでいる。賞味期限切れの食品の再生利用や食料配給所への寄付を増やす活動、食品廃棄の根本原因の解消をおもな事業とし、年間22万トン以上の食品廃棄の削減に寄与している。
ウィンサイト・グローサリー・ビジネス誌によると、ダイヴァートの共同設立者ライアン・ベギンCEOと、共同設立者ニック・ウィットマンCOOは、食品廃棄削減に取り組みむ小売業者らが2023年に注力すると見込まれる技術ソリューションについて、逆物流(reverse logistics)の重要性が大幅に高まる、と予想する。
ベギン氏によると、廃棄される可能性のある食品を大規模に追跡し、関連洞察を導き出すことは、個々の箱類または容器といった小さなレベルで実行されるわけではなく、農場から棚までの一連の供給網全体における組織的行動に特化した技術への投資が不可欠だ。2023年にはそれが大きな潮流となる、と同氏は予想する。
逆物流は、既存の基幹設備や注文方法を活用して、販売や寄付ができない食品をより効率的に管理する自主管理策によって食品廃棄量を減らす一手段と位置づけられる。
同氏によると、逆物流の重要点は、データの収集と分析、物流サービスとの効果的連携だ。食品廃棄量の削減に取り組む小売業者らは、果物や野菜、乳製品、そのほかの生鮮食品のリアルタイム追跡データと鮮度データを即時に集めて分析するソリューション群の開発と実装への投資を増やす計画だ、と同氏は話す。
「農場から流通センター、トラックでの輸送、店舗の在庫室にいたるまで、食品移動中の時間や温度、取り扱いのばらつきが大きいほど、食品の品質に与える影響が拡大し、ムダが増える」。
逆物流技術の利点としては、小売業者の二酸化炭素排出量の削減や、売れ残った食品を各地域のフード・バンク(困窮者への食品支給)や加工施設に転用し、埋め立て地行きとなる食品の量を大幅に減らすことが挙げられる。
「アホールドやCVSといった小売大手らは逆物流を実行している」「それらの大手は今後さらに逆物流の導入を加速させる見通しだ」とベギン氏は述べた。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年9月11日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
米EV所有者の46%は「内燃エンジン車に戻る」
-
使っていない古いアカウントが情報漏洩のリスクに 〜 削除方法は3つ、自分が知らないアカウントも発見
-
人工知能ツールが従業員の孤独感と健康悪化を誘発か 〜 睡眠不足や飲酒増の弊害を示す研究結果
-
2024年9月6日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
綿花および繊維業界で進むデジタル変革 〜 農業と生産、流通の各過程で効率化を推進
-
2024年8月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
サイバー攻撃増えても保険料は低下~企業のセキュリティー向上で
-
アップル・ウォッチ、医師たちのお気に入りの医療機器に 〜 患者の心臓機能追跡に活用、健康管理を合理化
-
Z世代にとってもっとも重要な販路はティックトック 〜 KPMGが調査結果を報告
-
2024年8月19日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
新興企業のライター、法人向け生成人工知能事業を1年で3倍に 〜 販促文句の作文から法務まで自動化
-
2024年8月15日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース
パリ五輪で活躍する人工知能ツールたち 〜 次世代選手発掘や出場選手支援、視聴者らの体験を向上
-
2024年8月12日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
人工知能による予想分析で顧客会社らに洞察をもたらす5社 〜 市場動向や商品開発、販促を強化かつ合理化