ティックトック(TikTok)のインフルエンサーたちが会社らの人材確保に貢献するという現象が起きている。
CNBCによると、会計ソフトウェアを提供するインテュイット(Intuit)の採用担当者として働くエミリー・ダーラム氏は、ティックトックで20万人以上のフォロワーを持つコンテント作成者だ。ソーシャル・メディアでのその名声が、人材採用の仕事に好影響をもたらしている、と同氏は話す。
「候補者に連絡すると、おそらく半分ぐらいが『ティックトックでフォローしています』という返事をくれる。特に若手の人材やインテュイットの社内採用ではそれが当てはまる」と同氏はいう。
ダーラム氏は、インテュイットに関係したコンテントをティックトックに投稿しているわけではない。インテュイットは、同氏のソーシャル・メディア活動に対して寛容な姿勢をとっており、双方にとって利点のあるコンテントをつくるようにしている、と同氏は話す。ティックトックで同氏のことを知った人たちが、インテュイットに興味を持って応募してくることもあるという。
これまで人材調達担当者らが人材を探す場合、一般的には、インディード(Indeed)やジップリクルーター(ZipRecruiter)、リンクトイン(LinkedIn)といったウェブサイトを情報源にしてきた。しかし、Z世代(1990年代中盤から2000年代終盤、または2010年代序盤までに生まれた世代)やミレニアル世代(1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代で、Y世代とも呼ばれる)の人材に向けて求人を告知するにあたってティックトックを使う採用担当者らは増えている、と人材管理データ・プラットフォームを提供するSHLの製品責任者エリン・ラザラス氏は説明する。
ダーラム氏によると、「Z世代やミレニアル世代は、コマーシャルのようなコンテントではなく、真実味のあるコンテントを求めている。ソーシャル・メディアの消費者は2~4秒以内に動画を見るか見ないかを判断する」。
「インフルエンサーはフォロワーの信頼を得ているため、雑音をかき分けて信号を送ることができる」とラザラス氏は指摘する。
ただ、求人活動にインフルエンサーを起用する場合、インフルエンサーの種類に気を付ける必要がある。ラザラス氏は、そういったインフルエンサーらを、セレブリティーと、コンテント作成者およびブロガー、そして業界見識者という三つの型に分類する。それらは重なり合うこともある。たとえば、ダーラム氏はコンテント作成者だがキャリア助言といった専門性があるため、見識者とみなすこともできる。
また、オフィス勤務の職種の場合であれば、その採用地にフォロワーを多く持つインフルエンサーであることも重要だ。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集
-
2024年4月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 自動車関連
中国の自動車メーカー、慣行覆しEV生産を迅速化
-
2024年3月28日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、テキサス州で社員向けロボタクシー運行
-
ハーバード大、急速充電が可能なリチウム金属電池を開発
-
2024年3月21日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
6割がブランドより接続性重視~EVドライバー調査、マッキンゼー
-
2024年3月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
少しの「つながる車」情報で信号機のタイミング調整