加州港湾に電動トラック増やせ~充電システム構築でJV始動

港湾施設に出入りする大型貨物トラックの電化支援サービスを手掛ける新興企業フォーラム・モビリティー(Forum Mobility、カリフォルニア州)は、加州の環境規制に従って州内に大型トラック向けの充電施設を作るため、CBREインベストメント・マネジメントおよびホームカミング・キャピタルと合弁事業を立ち上げ、4億ドルを投じる。

■30年までに充電器15.7万台

エレクトライブによると、合弁事業では、まずロングビーチ港とオークランド港を中心に北カリフォルニアと南カリフォルニアで10カ所を選定し、港と倉庫などをつなぐ輸送経路沿いに中・大型電動トラックが複数同時に充電できる施設を設置する。着工は2023年内を予定しており、迅速に計画を進められるのは、世界最大の事業用不動産サービスCBREがパートナーとして参画しているためだという。

場所の選定は、州エネルギー委員会(CEC)と州大気資源局(CARB)の資金援助プログラムを使って進められた。この助成金は、港湾へのコンテナ輸送に必要な大型貨物トラック(ドレージトラック)や輸送インフラが対象で、CARBは35年までに州内のすべてのドレージトラック(約3万台)を無公害車にする方針を発表しており、CECは「そのためには30年までに15万7000台の大型EV充電器が必要」と試算している。この計算に従うと、1日当たりの設置数は53台になる。

大型トラックの電化はすでに始まっており、ロングビーチ港は22年11月、連邦運輸省から3010万ドルの助成金を受け、単一コンテナターミナルとしては国内最大のEVトラック群(フリート)を配備した。

■新たに1500万ドル確保

フォーラム・モビリティーは、合弁事業に対するCBREからの出資3億ドル、ホームカミング・キャピタルからの1億ドルに加え、シリーズA資金調達ラウンドで1500万ドルを調達している。この資金は、チームの成長と他の収益源への投資に使われる予定。増資ラウンドに参加したのは、CBREインベストメント・マネジメント、アマゾンのクライメート・プレッジ・ファンド、エレメンタル・エクセラレーターのほか、シードラウンドの投資家であるオブビアス・ベンチャーズ、エジソン・インターナショナル、オバーチャー、ホーム・カミング・キャピタル。

21年12月にステルスモードを脱したフォーラムは、サービスとしてのトラック(TaaS)事業モデルで電動トラックを提供している。対象は、内燃エンジン(ICE)トラックだけのフリートを所有する小規模な物流企業で、これらのトラック(ほとんどはディーゼルエンジン)の一部は23年から港湾での運行が禁止されている。

駐車場付きのフル充電トラックとメンテナンス・パッケージからなるフォーラムのTaaS事業には、ドライバーが個人で月額制(電気代含む)で参加することも可能。

TaaS事業の背景にも州規制の存在があり、CARBが20年に導入したトラックに関する排出規制(Advanced Clean Trucks)では、24年から35年までに電動トラック、バン、ピックアップ・トラックの販売比率を徐々に増やすようメーカーに義務付け、45年までには州内で販売される全ての新型商用車はゼロ・エミッション推進装置の搭載しなくてはならない。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
STS Career

注目の記事

  1. 植民地から合衆国建国へ 18世紀半ば、現在のアメリカ東海岸にはイギリスの支配下にある...
  2. 2025年12月1日

    就職&雇用ガイド2025
    監修 STS Career https://usfl.com/author/stscar...
  3. 2025年10月8日

    美しく生きる
    菊の花 ノートルダム清心学園元理事長である渡辺和子さんの言葉に、「どんな場所でも、美しく生...
  4. 2025年10月6日

    Japanese Sake
    日本の「伝統的酒造り」とは 2024年12月、ユネスコ政府間委員会第19回会合で、日...
  5. アメリカの医療・保険制度 アメリカの医療・保険制度は日本と大きく異なり、制度...
  6. 2025年6月4日

    ユーチューバー
    飛行機から見下ろしたテムズ川 誰でもギルティプレジャーがあるだろう。何か難しいこと、面倒なこ...
  7.        ジャズとグルメの町 ニューオーリンズ ルイジアナ州 ...
  8. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
ページ上部へ戻る