昨今、電子メールでの解雇通知が増えている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、約1万2000人の解雇を発表したアルファベット(Alphabet)の対象従業員らは最近、自分が解雇されることを電子メールで知らされた。
その一人で勤続20年のソフトウェア工学者(カリフォルニア州在住)は最初、解雇通知メールを一連の報道に乗じたフィッシング(偽装詐欺)メールだと思ったという。個人用電子メールに送られたそのメッセージを見たのは午前5時半で、解雇されたグーグル従業員たちのためのウェブサイトがあるので、そこでアカウントを開設するように案内していた。
その人物は、真偽確認のために職場用受信メールを見ようとしたら、使えなくなっていたことから、解雇通知メッセージが本物だと理解した。
新型コロナウイルス・パンデミックの影響もあって、業務連絡の多くが電子メールやスラックといった法人向けメッセージング・アプリケーションに移行している。
人材資源(HR)担当者らは、電子メールでの解雇通知について、「一斉に短時間で伝えられるため、混乱や、人生を変えるような電話や面接を待つあいだの恐怖感を軽減できる」と説明する。
従業員側にも、「一人で通知を受けるため、(同僚や周囲と一緒に戦々恐々とする機会がなく)衝撃が緩和される」と考える人がいる。ただ、その一方で、電子メールでの解雇は冷たく不親切だと感じる人は多い。
最近に約1万8000人を解雇したアマゾンでも、解雇通知手段として電子メールを使った。アマゾンの場合、対象従業員らには、その日のうちに上司やHR管理部と直接話しをする機会が与えられた。
サーヴェイモンキー(SurveyMonkey)が労働者9800人以上を対象に2023年1月に実施した調査では、67%が担当者に直接会って解雇されることを希望し、電子メールで知らせてほしいと答えたのはわずかに11%で、7%はオンライン面談での解雇を希望した。
一方、17年間勤めたアカマイを2022年に解雇された元上席ソリューション工学者は、「重要なのは伝達手段ではなく、何と言われたかだ」と話す。その男性は動画通話で解雇された際、HR担当者の軽率な発言に傷ついて余計に辛くなったといい、電子メールの方がまだましだったかもしれないと話した。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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